「森保監督は甘く見ていた」“史上最強”がまさかの8強敗退。指揮官の采配を海外記者はどう見た? 守田の発言には「韓国と問題は同じ」【現地発】

カタールで開催中のアジアカップは、カタール対ヨルダンの決勝を残すのみとなった。

「史上最強」と謳われた陣容で大会に挑んだ日本代表は、2勝1敗(ベトナムに4-2、イラクに1-2、インドネシアに3-1)でグループステージを2位通過。ラウンド16ではバーレーンに3-1で快勝したものの、準々決勝でイランに1-2で敗れ、まさかのベスト8敗退となった。

そのイラン戦では、前半に守田英正のゴールで先制しながら、後半に同点に追いつかれると、その後もロングボールを多用する相手に苦戦。何とか持ちこたえていたものの、この一戦で明らかに不調だったCB板倉滉が後半アディショナルタイムに献上したPKを決められ、万事休した。

【PHOTO】日本代表のイラン戦出場15選手&監督の採点・寸評。後半は何もできずに敗戦。及第点は2人のみの低評価
この一戦の森保一監督の采配について、日本代表の全5試合を取材した韓国のホン・ジェミン記者は、こう指摘する。

「イラン戦の後半、ロングボールを蹴ってくる相手に日本が押されているのは明らかでした。ただ、森保監督は選手たちのクオリティが高いため、『これぐらいなら大丈夫だろう』と甘く見ていたと思います。劣勢なのに手を打たなかった結果、アディショナルタイムにPKを献上し、敗れてしまいました」

試合後、MFの守田が「もう少し外から指示がほしい」という趣旨の発言をして話題となった。

「あれだけセットプレーを与えたり、深い位置でロングスローを投げられて、本当よくそこまで耐えてくれたなというのが正直な印象。そうならないような戦い方をもっとできたか、それをどういうふうにやれば良かったっていうのは正直分からない。もう色々と考えすぎてパンクというか、もっと正直アドバイスとか、外からこうした方がいいとか、チームとしてこういうこと徹底しようとかがほしい。それはもっと正直に言っていいかなって」

同記者はこのコメントについて、「韓国と同じ問題を抱えているかもしれません。韓国のユルゲン・クリンスマン監督も選手への提示がなく、クオリティのある選手を並べて終わり。劣勢になっても選手任せで、どう修正するなどの具体的な指示がありません」と指摘している。

現地で取材しているどの海外記者に訊いても、「日本のクオリティはアジア最高」と口を揃える。ただ、スカッドの名前で勝てるほど、タフなアジアカップは甘くなかった。

取材・文●江國森(サッカーダイジェストWeb編集部/現地特派)

© 日本スポーツ企画出版社