福井県内で自転車盗が増加…全国ワーストな被害の傾向とは 刑法犯認知件数も21年ぶり増加

福井県警の刑法犯認知件数

 福井県警の2023年の刑法犯認知件数は前年比176件増の2840件(確定値)となり、21年ぶりに増加に転じた。特に自転車盗は増加が顕著で同232件増の542件。凶悪犯や窃盗犯など全ての罪種で前年より増加しており、県警は新型コロナウイルスの5類移行などで人の動きが活発化した影響とみている。

 23年は全都道府県で前年を上回った。県内の認知件数の内訳は、自転車盗や万引などの窃盗犯が1975件(前年比62件増)、傷害や器物損壊などの粗暴犯が334件(同30件増)。殺人などの重要犯罪は、50件で前年比22件増。不同意性交10件(同3件増)、不同意わいせつ29件(同18件増)も増加が目立った。

 全体の摘発件数は1631件で、摘発率は57.4%で前年から10.1ポイント低下した。

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 21年ぶりの認知件数増加を受け、県警は8日から「盗難ゼロ福井~鍵掛けは最大の防御~」と銘打ち、チラシなどを配って県民に防犯意識向上を訴える。県警によると、自転車盗542件のうち、無施錠だったのは471件。割合は86.9%で、全国ワーストだった。車上狙いや住宅侵入窃盗も6割以上が鍵が掛かっていないときに被害に遭ったという。

 県警生活安全部の田中史彦管理官は「北陸新幹線県内開業で、人流が増えた時の治安の変化に対応する必要がある。まずは鍵掛けの徹底をお願いしたい」と話していた。

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