「カンチョ―」「スカートめくり」「ズボン下ろし」子どものいたずらだと見過ごすと…大きな危険性 専門家指摘

小さい子ども同士のスカートめくりやズボンおろし、それにカンチョーなどの行為。昔やったという方も、もしかしたらいるかもしれませんが…、「子どもの悪ふざけ、じゃれあい」と見過ごしても良いのか。
それともしっかり注意すべきなのか。今、改めて考える必要がありそうです。

街の人に聞きました。

スカートめくりやズボンおろし、カンチョーなどの行為をしたことされたことや、見たことがありますか?

街の人は
「ズボンおろしは小学生の時やりましたかね」

「カンチョ―ならしたことあるかなっていう感じです」

「誰かがしているのを見たことはあります。小学校低学年とかじゃないですか?」

「小1?小1~2ぐらい。遊びじゃない?」

多くの人が、就学前や小学生の頃、友達同士のいたずらや悪ふざけとして経験があると答えました。

また、こんな調査結果もあります。

去年、どろんこ会グループが保育スタッフ600人以上を対象に行った「幼児期の性教育意識調査2023」によりますと、園児同士で性器を見せ合うなど、園児の性的な行動を目にしたことがあるスタッフはおよそ70%。

さらに、園児から胸やおしりなどのプライベートゾーンを触られたことのあるスタッフは70%を超えました。

こうした行為について、専門家は子どもであっても絶対にしてはいけないことだと認識を改める必要があると指摘します。

NPO法人HIKIDASHI 大石真那 代表
「現在、文部科学省でも、子どもたちを性暴力の加害者にも被害者にも傍観者にもしないためにという「生命(いのち)の安全教育」というのを推進しているんですけれども、その中で、例えば、幼児期から自分の体は自分だけの大切なものということ。同じように、相手の体も大切にすること。相手のプライベートゾーンも勝手に見たり触ったりしてはいけないことなんだよということを伝えていきましょうとなっています。

子どもの「あるある」のように捉えられてきましたが、やっぱりここからは、子どもであっても絶対してはいけないことなんだっていう大人側の認識を改めていく必要があるのかなと思っています」

これまでに性教育に関する講義を200回近く行うなど、包括的性教育の普及啓発に取り組んでいる、保健師の大石さん。

スカートめくりやカンチョ―などを「子どものいたずら」と見過ごしてしまうことで、大きな危険性につながる恐れがあると話します。

NPO法人HIKIDASHI 大石真那 代表
「大人側は、「大人になったらしないだろう」「子どもの時だけのいたずらだろう」と見過ごしがちだと思うんですけど、子どもは「大人だから」「子どもだから」という線引きができないことも多々あると思います。

スカートめくりやカンチョ―がそれほど悪いことだと認識されずに流されてしまう。プライベートゾーンを触られることもそれほどおかしくないんだなという認識が植え付けられてしまうと、本当に何か深刻な性被害に遭ったときにも、それがおかしいことなんだと気づけない可能性というのも、一つ大きな危険としてあるのかなと思います」

ではなぜ、小さい子どもはスカートめくりやズボンおろし、カンチョーなどの行為をしてしまうと考えられるのでしょうか。

NPO法人HIKIDASHI 大石真那代表
「小さい子どもがこうした行為をしてしまう背景には色々な要因があると思います。まだまだテレビ番組でも、ズボン下ろしがドッキリですという様に扱われたり、ちょっとした「いたずら」というメッセージが様々な場面で発せられているので、子どもたちもそういう感覚で捉えてしまうっていうのも一つだと思います。

また、保育スタッフの方も、触られた時に、「絶対してはいけないことだよ」ときちんと伝えずに、「やめてよ」という感じで、軽く反応してしまうと、逆に、相手の反応を喜んでしまう場合があると思うので、大人側が反応を変えていくことが大切だと思います」

まずは大人側が認識を改めること。

そして、水着で隠れる部分は、ほかの人に見せたり触らせたりしてはいけないということを、繰り返し伝えることが重要だということです。

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