刑法犯が2年連続増、「5類移行」余波で 金属狙いの窃盗事件目立つ 群馬県警

群馬県内の刑法犯認知件数と摘発率

 2023年の群馬県内の刑法犯認知件数は前年比3167件(31%)増の1万3326件(確定値)で、2年連続で増加したことが県警のまとめで分かった。04年の4万2643件をピークに長らく減少傾向だったが、コロナ禍前の18年(1万2201件)、19年(1万1699件)を超えた。新型コロナウイルス感染症の「5類移行」で社会経済活動が活発化した余波が続いているとみている。

 県警によると、全ての罪種で前年を上回り、最も多い窃盗犯は35%増の9912件だった。暴行などの粗暴犯は11%増の1059件、詐欺などの知能犯は30%増の625件、風俗犯は100%増の112件、殺人などの凶悪犯は19%増の63件。器物損壊や占有離脱物横領を含む「その他」は20%増の1555件あった。

 窃盗犯の中では、太陽光発電施設の銅線ケーブルや側溝のグレーチング、建物に置かれた室外機といった金属狙いの窃盗事件が際立って多かった。分類先の「非侵入盗その他」が約2.2倍の2518件と急激に増えた。

 空き家を狙った窃盗事件が多発し、分類先の「侵入盗その他」は79%増の837件に上った。夜間に住人が寝ている家を狙う「忍び込み」が56%増の237件、自転車盗は14%増の1548件だった。

 県警は、社会問題化する空き家の防犯に関する相談窓口を設け、太陽光発電施設や自転車の持ち主に啓発して回り、流行の手口に応じた対策を取る。担当者は「一人一人にも被害に遭わないよう注意してもらい、防犯情報を配信する『上州くん安全・安心メール』に登録してほしい」とした。

 一方、事件の摘発率は8.7ポイント減り、全国平均を1.8ポイント上回る40.1%だった。

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