全国高校スキー大会支える陸自隊員 被災地活動から駆け付け、富山県内のコース整備

ジャンプ台の雪を踏み固める自衛隊員たち=県スキージャンプ場立山シャンツェ

 全国高校スキー大会の富山県内の競技会場で、陸上自衛隊がコース整備などに協力している。能登半島地震の石川県などの被災地で救助や支援活動に当たった隊員ばかりで、中には実家が半壊した人も。過密日程の中「頑張る高校生の力になりたい」と駆け付け、大会を支えている。

 富山市のジャンプ会場には41人、南砺市のアルペン、クロスカントリーの両会場には71人の隊員が配備され、選手を保護する柵の設置やスタッフの補助など、多岐にわたる仕事をこなしている。

 ジャンプ会場では、助走用のレールを凍らせるために使う水や液体窒素を運んだり、スキー板を履いて斜面の雪を踏み固めたりした。

 金沢駐屯地第14普通科連隊重迫中隊の田中光寿(みつひさ)さん(44)は「選手が力を発揮できるように丁寧な整備を心がけている」と話す。

 同連隊第4中隊の干場義朗(よしろう)さん(27)は地震発生後、珠洲市に派遣され、行方不明者を捜索。同市内の実家も半壊したが、家族は無事だった。

 現地での活動を終え、今大会をサポートすることについて「若い人たちが頑張る姿は被災者の励みになるはずだ。大会のコース整備に携われてうれしい」と充実感をにじませた。

 クロスカントリー会場の設営に携わる富山駐屯地第7施設群第382施設中隊の川端教誉(のりたか)副中隊長(49)は「被災地は自宅が倒壊して部活動に参加できない生徒もたくさんいた。選手は競技ができることに感謝し、練習の成果を発揮してほしい」とエールを送った。

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