NY外為市場=ドル下落、米CPIの下方改定には反応薄

[ニューヨーク/ロンドン 9日 ロイター] - 終盤のニューヨーク外為市場では、ドルが下落した。ただ週間では4週連続で上昇。米連邦準備理事会(FRB)による早期利下げ観測の後退が寄与した。9日には2023年12月の消費者物価指数(CPI)の前月比上昇率(季節調整済み)が0.2%に下方改定されたが、為替への影響は限定的だった。

みずほ証券USAの米国チーフエコノミスト、スティーブン・リッキート氏は「今回の改定を受けてFRBが利下げに踏み切ることはない」と指摘。「FRBは急ぐ必要はないと言っており、実際、FRBから見れは状況はかなり良好だ」と述べた。

ドル指数は0.07%安の104.04、ユーロ/ドルは0.08%上昇の1.0785ドルだった。

バノックバーン・グローバル・フォレックス(ニューヨーク)のチーフ・マーケット・ストラテジスト、マーク・チャンドラー氏は、改定は広く予想されており、市場への影響は小さいとした。

円は対ドルでほぼ変わらずの149.32円。序盤には一時149.575円と11月27日以来の安値を付けた。週間では約0.64%安で、過去6週間中5週間で値下がりしている。

日銀の植田和男総裁は9日、大規模金融緩和の出口戦略について、現時点で見えている将来の経済・物価の動きを前提にすると「先行き、マイナス金利解除を実施したとしても、緩和的な金融環境が当面続く可能性は高い」と語った。

鈴木俊一財務相は9日、賃金上昇を伴う物価安定目標の実現に向け、日銀には適切な金融政策運営が行われることを期待している、との考えを述べた。

ポンド/ドルは0.15%高の1.2635ドル。

スイスフランは1ドル=0.8747フランまで下落。今週は対ドルで約0.93%値下がりした。

暗号資産(仮想通貨)のビットコインは4.9%高の4万7549ドル。一時4万8183ドルと1カ月ぶりの高値を付けた。週間では10%上昇と昨年10月以降で最大の上げとなった。

ドル/円 NY終値 149.30/149.33

始値 149.39

高値 149.53

安値 149.02

ユーロ/ドル NY終値 1.0782/1.0786

始値 1.0770

高値 1.0794

安値 1.0764

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