【目指せ昇進】警察官の「階級」って何段階あるの? それぞれの「平均年収」を教えて!

警察官になるためには「警察学校」で学ぶ必要がある

警察官になるためには、各都道府県警察の採用試験に合格したうえで、全寮制の警察学校に入校します。入校期間は、大学卒業程度(1類)が6ヶ月、高校卒業程度(3類)は10ヶ月です。この期間に、給与を支給されながら警察官に必要な知識や技能を習得します。

・警察学校で学ぶこと

警察学校で学ぶ知識は、一般教養の他に、警察官に必要な憲法や刑法などの法学です。技能については、事件・事故に関する対応法や鑑識技術、逮捕術と拳銃の操作方法、柔道か剣道(女性は合気道も選択可能)などを学びます。

・警察学校卒業後

警察学校を卒業すると、各都道府県警察の警察署に配属されます。勤務先は、所属する警察署が管轄する交番です。

警察官の「昇任制度」の仕組み

警察官の主な階級は、巡査、巡査部長、警部補、警部、警視の5階級です。昇任するためには、それぞれ異なる勤務実績を経たうえで試験に合格したり、勤務成績や能力を高く評価されたりする必要があります。

なお、警視までは地方公務員ですが、それ以上は国家公務員のため、本記事では警視までを扱います。

・昇任方法
巡査部長から警部までは、一律条件下での昇任試験と、能力と勤務成績を審査して決定する選抜・選考制度の2種類があります。

・巡査
警察学校に入校した時点で、すべての人が巡査になります。なお、巡査長という階級もありますが、身分はほぼ巡査と同じです。

そのため、警察官の階級を規定した警察法第六十二条にも、「警察官(長官を除く。)の階級は、警視総監、警視監、警視長、警視正、警視、警部、警部補、巡査部長及び巡査とする。」とあり、巡査長という階級はありません。

・巡査部長
昇任するためには、まずは巡査として、1類が1年、3類が4年以上の勤務実績が必要です。巡査部長になると警察署の主任として、所属する係の業務を担当します。

・警部補
昇任するためには、まずは巡査部長として、1類が1年、3類が3年以上の勤務実績が必要です。警部補になると警察署の係長として、部下の指揮監督の中心的な役割を担います。

・警部
昇任するためには、まずは警部補として、4年以上の勤務実績が必要です。警部補になると警察署の課長代理などを務めながら、業務管理や部下の指揮監督にあたります。

・警視
昇任するためには、警部として6年以上の勤務実績が必要です。警視になると各都道府県の警察本部で課長や管理官、警察署では署長や副署長などを務めます。主な役割は、各組織の取りまとめや部下の指揮監督です。

階級ごとの平均年収

警視までの警察官は地方公務員のため、給与は各都道府県によって異なります。そこで、本記事では参考例として、大阪府職員のモデル年収額(令和5年4月1日時点)から、大阪府警所属の警察官の年収額を紹介します。

なお、紹介する年収は、令和5年4月1日時点で実際に支給された給与の平均をもとにしており、管理職手当・地域手当・期末勤勉手当が含まれます。

・巡査

巡査(25歳)は、411万2578円です。

・巡査部長

巡査部長(40歳)は、635万5951円になります。

・警部補

警部補(45歳)は、755万530円です。

・警部

警部(50歳)は、843万4735円になります。

・警視

警視には、「管理官級」と、「所属長級」があり、それぞれの平均年収は、管理官級(55歳)が909万538円で、所属長(58歳)が1082万8999円です。

警察官に関心があるのなら「採用試験」に挑戦してみよう

地方公務員として勤務する警察官の場合、最高位の警視に就くためには、採用試験からスタートして5段階を踏む必要があります。また、警視のモデル年収は、909万~1082万円程度です(大阪府警の場合)。

警察官は心身ともにハードな職だといえますが、社会の治安を守るというやりがいのある職業でもあるため、関心があれば採用試験に挑戦してみてはいかがでしょうか。

出典

e-Gov 昭和二十九年法律第百六十二号 警察法 第六十二条
大阪府 職員のモデル年収額 (令和5年4月1日現在)

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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