大分県立美術館で畠山記念館名品展始まる 国宝含む70点を九州初展示【大分県】

展示品を鑑賞する来場者ら=9日、大分市寿町の県立美術館
展示品を鑑賞する来場者ら
展示品を鑑賞する来場者ら
展示品を鑑賞する来場者ら

 「畠山記念館名品展」(大分合同新聞社共催)が9日、大分市寿町の県立美術館で始まった。荏原(えばら)製作所(東京都)の創業者、畠山一清のコレクションを公開する同記念館の所蔵品から、国宝2点、重要文化財8点を含む厳選した約70点を九州で初展示。3月26日まで。

 国宝「離洛帖(りらくじょう)」(991年)は平安時代の書の達人、藤原佐理(すけまさ)の書状。中国風から和様へ日本文化形成の変化を見て取れる逸品で、わび状ながら強く自由で歯切れのよい筆致が人柄を伝えている。織田信長が所持していた井戸茶碗など茶道具を中心に、本阿弥光悦や尾形光琳といった琳派の華やかなびょうぶや陶器も並ぶ。中津藩奥平家が所有していた純金の金鎖も精緻な細工と輝きが目を引く。

 開会式では、荏原畠山記念文化財団の中村弘志常務理事が貧しい生い立ちの畠山一清の報恩の精神に触れて「人となりを思いながら鑑賞してもらいたい」と述べ、田沢裕賀(ひろよし)県立美術館長が「教科書に載っていた現物を、自身の目で見て感じてほしい」とあいさつした。

 観覧料は一般1300円、大学・高校生1100円、中学生以下は無料。3月4日は展示替えのため休展。

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