バイデン氏衰え指摘報告書に反発 副大統領「明らかに政治的動機」

ホワイトハウスでドイツのショルツ首相と会談するバイデン大統領=9日、ワシントン(ロイター=共同)

 【ワシントン共同】バイデン米大統領(81)の私邸などで機密文書が見つかった事件で、ハリス副大統領(59)は9日、バイデン氏の記憶力の衰えを指摘したハー特別検察官の報告書について「明らかに政治的動機に基づいている」と反発した。ワシントンで記者団に述べた。訴追は見送られたが、バイデン政権は波紋の広がりに神経をとがらせている。

 ハー氏は2018~21年、トランプ前大統領の指名を受けて東部メリーランド州の連邦検事を務めた。8日の報告書で、バイデン氏の「記憶力が著しく限られている」とした。訴追しても陪審員が「記憶力の悪い老人」と見なし、有罪にしないと判断したと説明した。

 ハリス氏は自身も検事だったことに触れ、報告書を「根拠がなく、不正確だ」と批判。バイデン氏が捜査に応じながらもパレスチナ自治区ガザ情勢への対応で指導力を発揮していたと強調した。

 バイデン氏も8日、記者団に「私の記憶力は大丈夫だ」と反論。国民の間で高齢不安が根強いと指摘されると「それはあなたの意見だ」と声を荒らげる場面もあった。

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