WHOも認める『耳つぼ健康法』を家庭で 腰痛・肩こりなどに効果が期待できるつぼを専門家が解説

世界保健機構(WHO)も認めた耳つぼについて専門家に聞いた

耳には100以上のつぼがあるとされている。耳つぼ=耳介療法は、世界保健機構(WHO)も認めており、特に「頭痛・慢性腰痛・高血圧・喘息・歯痛など350種類の症状と疾患、各所の痛みに効果的」と認定されている。そこで、耳介療法士の濵之上陽子さん(神戸市兵庫区)に、家庭でできる耳つぼ健康法を聞いた。

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【写真】不快な諸症状に効果があるとされる「耳つぼ」の位置

濵之上さんは、「Oreille(オレイユ)」の名で、自ら開発した耳つぼ指圧具“オレイユ”などの販売とマッサージ施術を展開している。オレイユはフランス語で「耳」という意味。じつはフランスには、耳介療法(耳つぼ)が古くから存在するという。1956年にはフランス人医師のポール・ノジェ氏が耳介療法を体系化。のちに国際耳介療法学会が設立され、現在ではWHOがその効果を認めている。

「耳は全身の縮図といわれるほど。『反射区』と言って、全身の各部位・器官に対応するエリアや末梢神経が集中する箇所が存在しています。耳つぼを刺激することで、血流アップ、痛みの緩和、自律神経の整えなどの効果が期待できます」と濵之上さんは話す。

悩む人の多い3つの症状について、不調の緩和が期待できる耳つぼを濵之上さんに教えてもらった。

◆腰痛
耳の穴の入り口の枠にあたる部分(「対輪下脚(ついりんかきゃく)」)の上部や、その最下部の少し上あたり。

◆肩こり
(1)耳の輪郭「耳輪(じりん)」に沿って降りてきた縦部分の外端。
(2)(1)の、さらにその少し内側のあたり(「対耳輪下脚」)。

◆鼻づまり
(1)耳たぶの上部、少し硬さがあってプクッと膨れた「対珠(たいじゅ)」と呼ばれるあたり。
(2)耳と顔の付け根にある、少し硬めの膨らみ(「耳珠(じじゅ)」)の下部あたり。
(3)耳輪上部の頂点。

加えて、耳の上部の三角形にくぼんだ部分(「三角窩(さんかくか)」)には、各症状共通のつぼ「神門(しんもん)」が存在し、自律神経を整える働きもあるのだとか。

濵之上さんによると、耳穴は全身を整えるといわれており、小指の腹で耳穴入口付近をやさしく押し広げて刺激するといいとのこと。また、軟骨周辺でつまめる場所は指先でつまんでやさしく刺激すると良く、つまめない部分は指先で押し、痛いと感じた所が不調な箇所とされているそうだ。ただし、妊娠中の人、乳幼児、心疾患や持病のある人、頭痛、発熱、けがなど体調不良を抱える人、さらに、食事前後、飲酒、入浴前は控えるようにと、濵之上さんは呼び掛けた。

耳つぼの専門家として、人々の健康につながる取り組みを続ける濵之上さん。今後は「『耳つぼ体操』を作りたい」と話していた。

※ラジオ関西『こうべしんきん三上公也の企業訪問』2024年1月16日放送回より

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