世界のオザワは「太陽だった」 指揮者・下野竜也さん、小澤征爾さんの訃報に哀悼ささげる

小澤征爾さん

 小澤征爾さんの訃報が伝わった9日、鹿児島市出身で国際的に活躍する指揮者の下野竜也さん(54)は「日本、世界の音楽界を切り開き、われわれをけん引してくれた。常に目標であり、太陽のような存在だった。心から哀悼の気持ちをささげたい」と語った。

 下野さんは2001年、小澤さんが世界デビューしたことで知られるブザンソン国際指揮者コンクールで優勝した。10年には体調不良の小澤さんの代役に抜てきされ、小澤さんが総監督を務めた長野県の音楽祭「サイトウ・キネン・フェスティバル松本」や米ニューヨークのカーネギーホールの公演でタクトを振った。

 松本では代役の指揮を終えた後、2人で手を合わせて喜び合った。「若輩者にありがとう、良かったと声をかけてくれた」と振り返り、「音楽では厳しいが、後進への愛情が深く、温かい方だった。先生がいなければ、音楽界は全く別物になっていたかもしれない」と惜しんだ。

下野竜也さん

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