PONOS RACINGからスーパーGTに挑むリル・ワドゥ「高いレベルの中で戦えることが楽しみ」

 2024年からスーパーGT GT300クラスにフェラーリ296 GT3を投入し参戦するPONOS RACING。ドライバーラインアップもケイ・コッツォリーノに加え、フェラーリ・コンペティツィオーニドライバーでもあるリル・ワドゥの起用が決まった。ワドゥは2月8〜9日に静岡県の富士スピードウェイで行われたGT300クラスの特別スポーツ走行で2日間8時間の走行をこなしている。そんなワドゥに、スーパーGT参戦に向け意気込みなどを聞いた。

 ワドゥは2001年生まれのフランス人女性ドライバー。レーシングカートを戦い、2017年から四輪へ。2022年にはリシャール・ミルからWEC世界耐久選手権参戦を果たし、2023年には女性初のフェラーリ・コンペティツィオーニドライバーに就任。さまざまなレースを戦ってきた。

 そんなワドゥの参戦はスーパーGTにとっても大きな話題となっているが、2月8〜9日に富士で行われた特別スポーツ走行では、チームとともに2日間8時間の走行を行った。今回、コッツォリーノがアジアン・ル・マンに参戦していることから、いきなりひとりでの走行となったものの、疲れも感じさせず充実のテストとなった様子だった。

2024GTE特別スポーツ走行 PONOS RACINGの45号車フェラーリ296 GT3

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──まずお伺いしたいのは、今回が何度目の来日になりますか?リル・ワドゥ(以下LW):WEC世界耐久選手権で一度来たことがあって、その後昨年の12月に、もてぎをこのクルマで一度走ったの。だから日本は3回目で、テストは2回目ね。

──今シーズン、スーパーGTに参戦を決めたいきさつを教えていただけますか?LW:今年チームメイトになるケイ・コッツォリーノに誘ってもらったのがきっかけね。昨年WECで親しくなって、彼から『スーパーGTで走ってみない?』と声をかけてもらったの。

──その誘いの前には、スーパーGTのことはご存じでしたか?LW:少し動画を観たことがあるくらい。すごくたくさんのGTカーが走っていて、素晴らしいバトルが展開されているな、というイメージかな。

──そんなスーパーGTに最終的に参戦を決めたきっかけはなんでしょうか。LW:ケイといろいろな話をして、フェラーリも非常にレベルが高いシリーズに参戦することに大いに賛成してくれたし、ミシュランを使うことなど、いろんな条件が重なって参戦できることになった。スーパーGTは基本的にふたりのドライバーで戦うからマイレージも多いし、そういう意味では珍しいシリーズかもしれないわね。

──スーパーGTはほぼすべてのドライバーがプロフェッショナルドライバーで、非常にレベルが高いシリーズです。そういうシリーズに参戦するにあたっての緊張などはありますか?LW:もちろんレベルの高さは知っているわ。でもそんな中に自分の身を置いてライバルと戦えることが楽しみだし、すごくファイティングスピリットが高まっているの。

──テストをこなしてみて、PONOS Racingの雰囲気はいかがですか?LW:ヨーロッパとはもちろんいろんなところが違う。でも、ここまで過ごしてきて、すごく居心地が良いチームだと感じてるわ。

2024GTE特別スポーツ走行 PONOS RACINGのリル・ワドゥ
2024GTE特別スポーツ走行 PONOS RACINGの45号車フェラーリ296 GT3

──ちなみに今回はケイが不在ですが、2日間を8時間ひとりで走りました。体力面で問題はありませんでしたか?LW:これくらいはぜんぜん大丈夫だし、テストでもいろんなタイヤの比較など、ひとりでやらなければならないこともたくさんあるので、そういう意味ではすごく良いテストになったと思ってるわ。

──スーパーGTの特殊な面としてはタイヤが挙げられます。どんな印象でしょうか。LW:初めてもてぎを走ったときには『なんだか変な感じ』と思ったんだけど(笑)。でも走っていてすごくフィーリングが良いし、走っていて楽しいタイヤだと感じてる。

──今シーズンはたくさん日本に来ると思いますが、今のところのお気に入りの日本食を教えてください。LW:焼肉(笑)! お肉が好きで、昨日も焼肉だったんだけど、すごく美味しかった。

──何かチャレンジしてみたい日本食や、行ってみたい場所はありますか?LW:WECで来たときも、昨年もてぎに行ったときも空港とサーキットの往復ばかりでぜんぜん楽しめてないの。日本は今まで訪れた国とはまったく違うから、いろんなところに行って自然も満喫してみたいし、いろんなものを食べてみたいと思ってる!

──スーパーGTは公式テストからたくさんのファンがあなたのところにも訪れると思います。今年の意気込みとファンへのメッセージをいただけますでしょうか。LW:良いシーズンにしたいと思っているし、できることなら1勝はしたいわね。ぜひサーキットに来てほしいし、PONOS RACINGのために、フェラーリのために良いレースを見せたいと思ってるわ。

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 ワドゥはひとたびクルマを降りるともの静かなイメージだが、ヘルメットを被ると女性が乗っているとは思えない走りをみせていた。周囲のドライバーたちからも「速い」という声が聞かれている。新生PONOS RACINGの活躍が非常に楽しみなところだ。

2024GTE特別スポーツ走行 PONOS RACINGのリル・ワドゥ
2024GTE特別スポーツ走行 PONOS RACINGの45号車フェラーリ296 GT3
2024GTE特別スポーツ走行 PONOS RACINGの辻子依旦総監督もテストを見守った。

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