知ってた? 日清オイリオ、日清食品、日清製粉の3社は「特に関係ない」。暗黒通信団の図解が話題。どういうことなのか

日清オイリオ、日清食品、日清製粉。これら「日清」とつく食品企業をグループ会社だと思っていた人はいませんか?

その実態は特に関係ないんです。そんな関係性を描いた図解がSNSに投稿されて6万件以上の「いいね」を集めるなど大きな反響を呼んでいます。

この画像を投稿したのは、『円周率1000000桁表』などユニークな刊行物で知られる同人サークル「暗黒通信団 」です。日清オイリオ、日清食品、日清製粉の3社の関係性が矢印で示されていますが、いずれも「特に関係ない」になっています。6本もある矢印の存在価値に疑問を感じてしまうほどです。

暗黒通信団の公式アカウント(@ankokudan )が2月8日、X(旧Twitter)に投稿したところ「三社とも無関係の企業だったの??」「このネタ画像系で一番衝撃受けた」「う、うそやろ...今までずっと巨大日清グループだと思ってたわけだが...」などと驚きの声が広がっています。

一体どういうことなのか。実はBuzzFeed Japanでは2018年にその理由を調べていました 。当時の記事を元に「特に関係ない」と話題の3社のルーツを紐解きましょう。

”日清”と社名につく有名企業の3社

「日清キャノーラ油」などの食用油で知られる日清オイリオ。

「カップヌードル」や「日清のどん兵衛 」などのカップ麺で知られる日清食品。

そして小麦粉を扱う日清製粉。

この3つはいずれも食品を扱う企業です。同じグループの企業だと思われがちですが、実は全く別の会社だって知っていましたか?

3社は資本提携関係が全くないだけではなく、設立者、会社ができた年もバラバラなんです。

本当にこの3社は関係ないの? なぜこんなに似た社名になったの?

左から日清オイリオ、日清食品、日清製粉の3社の代表的な製品(各社の公式サイトより)

BuzzFeedは、日清製粉グループの広報担当者に話を聞きました。
担当者によると、やはり他の2社との間には「資本関係は全くありません」とのこと。
しかし、実際に「お客様から混同されるケースもあります」と話します。
話を聞くと、社名の由来がわかりました。

日清製粉グループの由来は?

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広報担当者によると、「日清製粉」という社名になったのは、合併がきっかけ。

日清製粉グループの前身は、1900年に群馬県で設立された館林製粉株式会社。その後、事業拡大のため、1908年に横浜の日清製粉株式会社と合併した時に、社名も変更されました。

”日清”という言葉は、海外を視野に入れているということを示し、明治後半期に好まれた言葉だそうです。

日清製粉グループには、日清フーズ、日清ペットフードなどがあります。

日清オイリオグループの由来は?

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日清オイリオグループの広報担当者にも話を聞きました。

こちらの担当者も「(他の2社との)資本関係は全くない」と話します。また、「実際にグループ会社と思われている方も多いのでは」と言います。

日清オイリオグループの前身は、1907年に設立された「日清豆粕製造株式会社」。

担当者によると、社名の「日清」は日本の日と清国(現在の中国)の清からとったそうです。実際に創業期には中国・大連に支店、工場が置かれていました。

その後、1918年には日清製油株式会社に改名。

2002年に日清製油株式会社、リノール油脂株式会社、ニッコー製油株式会社の3社が経営統合し、2004年に合併したことで現在の日清オイリオグループ株式会社という社名になりました。

グループには、攝津製油株式会社や日清商事株式会社などがあります。

日清食品グループの由来は?

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日清食品グループには、日清食品、明星食品、日清食品チルドなどの企業があります。

公式サイト によると、1948年に株式会社中交総社として設立されたそうです。

その後、チキンラーメンが開発された1958年に日清食品株式会社という社名になりました。

社名の由来 は「『日々清らかに豊かな味をつくる』という日清食品の創業者・安藤百福の願い」だそうです。

名前が似てても実は全然関係なかった

明治期に大陸を意識し社名を日清にした企業もあれば、創業者の言葉から社名をとった企業もありました。似た社名でも、関係のない別の企業とはびっくりですね。

※今回の記事は2018年2月22日に掲載した<「日清」と社名につく食品会社3社 無関係だって知ってた? >の記事を元に再構成したものです

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