ため息の受験生に「読んで」 駅員が粋なねぎらい 試験会場の最寄り駅にメッセージ 神戸

試験を終えた受験生をねぎらうメッセージも用意=10日、神戸市須磨区平田町3、山陽電車板宿駅(撮影・長嶺麻子)

 「ベストを尽くそう きっとうまくいく」-。兵庫県内の私立高校入試がスタートした10日、3校の最寄り駅となる山陽電車板宿駅(神戸市須磨区)には、受験生を励ます応援メッセージが掲示された。

 同駅は滝川高、育英高、須磨学園高に近く、多くの生徒が利用する。昨年度から、駅員が手作りした応援メッセージを掲示し、緊張した面持ちで試験に向かう受験生らを励ましている。

 試験前には、受験生の多くが利用する出口階段に「自分を信じて最後まで諦めない」「みんな同じ 緊張しています 会場着くまでに深呼吸しよう♪」といった5種類のプレートなどを掲示。受験生らは立ち止まってメッセージを読んだり、写真撮影をしたりしていた。

 試験後の時間帯に合わせてメッセージは張り替えられ、「今、ため息をついている方は読んでください」と受験生をおもんぱかる内容に。「平たんな道ばっかりでないのが、人生です。試験の結果も人生の長い通過点。必ず、必ず道が広がります」

 「手応えのあった受験生ばかりではない。その子たちが家に帰るまでに、前向きになってもらえるように励ましてあげたい」と同駅の担当者。

 エールはきっと、届いている。 (久保田麻依子)

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