被災し部活ができない状況に手を差し伸べたのは…他県のライバル校 「次は全国大会で会おう!」 日本航空高校石川   

能登半島地震発生から1か月あまり。石川県のラグビーの強豪校は部活動ができないままです。この状況に手を差し伸べたのは愛知のライバル校でした。

部員全員が集まるのは、約1か月ぶりです。大きな荷物を抱えて移動するのは、石川県輪島市にある、日本航空高校石川のラグビー部員35人。19年連続、全国大会に出場している強豪校です。

4日から岐阜県恵那市にある、中部大学の研修センターで合宿を始めました。

元日に起きた能登半島地震。輪島市は、震度7。校舎の窓ガラスや壁にはひびが入り、いまも水道やガスは止まったまま。授業をできる状況ではありません。

輪島市出身の部員は。

(日本航空石川・小林静太郎選手)
「自宅の周りは傾いてる所があって、ひどい所だと1階がつぶれて、がれきの山になっていた。自分のふるさとがこんなになると想像していなくて、悲しかった」

部員たちは全員無事でしたが、地震の後、一度も部活はできていませんでした。そこで声をかけたのが愛知の強豪、中部大春日丘の宮地監督でした。

20年ほど前から続く“切磋琢磨”の関係

(日本航空石川・シアオシ ナイ監督)
「宮地先生から(地震後)すぐに連絡がきて『いつでも支え サポートできることがあれば、ぜひ協力する』と。その連絡があって仲間はすごく大切だと思った」

日本航空石川と春日丘は約20年前から毎年合同練習を行い、時には全国大会で対戦するなど切磋琢磨してきました。

その「ライバル」が少しでも早く部活を再開できるようにと、春日丘の系列、中部大学の施設で合宿が行われることになったのです。

久しぶりのチームメートとの練習に、笑顔を見せる日本航空石川の部員たち。約2週間、オンライン授業を受けながら練習を重ねていきます。2月10日からは全国選抜大会につながる公式戦が始まります。

(日本航空石川・輪島市出身 小林静太郎選手)
「日本航空石川のあった輪島市には、被災された方々がいるので、みんな1人1人の力で勇気を与えたい」

愛知と被災地をつなぐ、ラグビーの友情。次は全国選抜大会で会うことをお互いに、誓います。

(日本航空石川・上野魁心選手)
「お互い地区の選抜予選があると思うので、しっかりそこで勝って、選抜大会でお互い試合ができるように頑張りましょう、この度はありがとうございました」

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