佐藤勝利「アートの一部になれるように」 舞台『モンスター・コールズ』開幕

すべての写真(9)を見る

舞台『モンスター・コールズ』が本日2024年2月10日(土)より東京・PARCO劇場で開幕する。開幕を控えた9日(金)、プレスコールと初日前会見が行われた。

原作は、アメリカの作家パトリック・ネスによる小説。パトリックがシヴォーン・ダウドの遺したメモに自由な発想で肉付けして書き、ジム・ケイによる挿絵が付けられた小説で、英国で最も権威ある児童文学賞と言われるカーネギー賞(現・カーネギー作家賞)を受賞している。2016年には映画化され(邦題『怪物はささやく』)、’18年には英国のオールド・ヴィック・シアターで舞台版が初演。’19年にはローレンス・オリヴィエ賞で「Best Entertainment and Family」(現:Best Family Show)を受賞し、日本初演を2020年に予定していたが、コロナ禍で中止に。今回、4年のときを経て、満を持して日本で幕を開ける。

佐藤勝利

「約4年間、いつ上演できるのかなと思いながら、その日を待ち望んでいました」と話すのは、主人公の13歳の少年コナーを演じる佐藤勝利。イギリスの演出家サリー・クックソンをはじめ海外のクリエイターとの創作について「いろいろな違いを感じましたが、その違いがすごく面白くて、チャレンジングなことをしているなと思いましたし、たくさんのことを学びました」と話す。

中でも1番の大きな違いとして「スタッフの皆さんもものすごくアーティスト性を重要視しているのではないかなと。一緒に作るのが楽しかったですし、なかなか計画通りにいかないことも多かったと思うんですけど、改めて舞台は芸術のひとつなんだなと感じました。僕も『モンスター・コールズ』のアートの一部になれるように、一生懸命コナーという役を生きられたら」などと語った。

山内圭哉

複数のロープを絡ませて、イチイの木のモンスターを浮き上がらせる演出。そのモンスター役を演じる山内圭哉は「宙に浮いたり、高足的なものを履いたり、そもそも裸ですし、罰ゲームみたい」と話しつつも、「エアリアルの稽古も非常に丁寧でした。日本だとできるまでやるという根性論になってくると思うんですけど、演出チームの方々はそうではなく、スマートに、必ず日にちをあけて脳が整理するのを待ってくれる。だから不安なく今日まで来ました」と稽古での体験を語った。

さらに「いつもみんながやっているお芝居とは違うアンテナをいっぱい立てて演じなくてはいけない作品。イギリスで丁寧にサリーさんはじめチームがつくってきた作品をちゃんと届けたい。お客さんにもいっぱい想像力を使っていただいて、最後はお客さんと一緒に作りたい」と意気込んだ。

日本版の舞台を観た、原作者のパトリック・ネスは「鳥肌が立ちました。言葉にならないぐらい感動しました。演技、演出、音楽によってものすごくストーリーに引き込まれました」と感想を述べ、演出家のサリー・クックソンは「この美しいストーリーを通して、私たちとつながってください。原作のパトリックさんから私たちへと手渡され、今度は日本のカンパニーとともに新たな物語を語ろうと思っています。非常に普遍的なストーリーだと思いますので、ぜひご覧いただき、世界観を感じ取ってください」と呼びかけていた。

舞台『モンスター・コールズ』初日前会見より、左から)パトリック・ネス、山内圭哉、佐藤勝利、サリー・クックソン

上演時間は約2時間35分(休憩20分含む)予定。東京公演は3月3日(日)まで。大阪公演は2024年3月8日(金)〜17日(日)、COOL JAPAN PARK OSAKA WWホールにて上演。

取材・文・撮影=五月女菜穂

<公演情報>
『モンスター・コールズ』

原作:パトリック・ネス
原案:シヴォーン・ダウド
演出:サリー・クックソン
翻訳:常田景子

【出演】
佐藤勝利 山内圭哉 瀬奈じゅん 葛󠄀山信吾 銀粉蝶/半澤友美 高橋良輔 大津夕陽 森川大輝 倉知あゆか 池田実桜

【東京公演】
2024年2月10日(土)~3月3日(日)
会場:PARCO劇場

【大阪公演】
2024年3月8日(金)~3月17日(日)
会場:COOL JAPAN PARK OSAKA WWホール

チケット情報:
https://w.pia.jp/t/amc/

公式サイト:
https://stage.parco.jp/program/amc

すべての写真(9)を見る

© ぴあ株式会社