「よしもと」と協定 和歌山県、防災啓発や産業振興で

包括連携協定書に署名した岸本周平知事(右から2人目)とよしもと興業ホールディングスの泉正隆副社長(左から2人目)ら=和歌山県庁で

 和歌山県はこのほど、大手芸能プロダクションの「よしもと興業ホールディングス」(本社・大阪市)と包括連携協定を結んだ。同社の企画力や発信力を生かし、タレントの協力を得ながら、防災啓発や産業振興などに取り組むという。

 同社が協定を結ぶのは4道県目で、市町村を含めると21件目。協定内容は、タレント出演の体験動画による林業の担い手発掘や特定健康診査の受診勧奨▽タレントの訪問取材による県内企業の魅力発信▽県内スポーツイベントへのタレント出演▽防災に関する啓発―など。

 岸本周平知事が同社の大崎洋前会長や岡本昭彦社長と親交があることをきっかけに話が進み、協定を結ぶこととなった。

 協定式が県庁であり、岸本知事と同社の泉正隆副社長が協定書に署名した。岸本知事は「よしもと興業さんのパワーをお借りして、和歌山県の発展に力添えいただきたい」、泉副社長は「地域のためにタッグを組んで頑張っていきたい」と話した。

 すでに県内で魅力発信などの活動をしている県内出身、在住の漫才コンビ「わんだーらんど」の2人も出席し、今後力を入れたいことの一つに防災啓発を挙げた。メンバーの一人、たにさかさんは能登半島地震を念頭に「和歌山県も南海トラフ地震が起きるとずっと言われている。紀南で『私らはいいわ。若い子が助かってくれたらいい』と言うおじいちゃんやおばあちゃんがいたが、それは違う。全員助け合って生きていかないといけない。しっかりと防災啓発に力を入れたい」と話した。

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