【MLB】山本由伸、田中将大ら歴代沢村賞投手上回れるか 最高右腕に求められる16勝と“パイオニア超え”の防御率

オリックスからポスティングシステムでドジャース入りした山本由伸投手が9日(日本時間10日)、アリゾナ州グレンデールでキャンプイン。早速ブルペンに入り、メジャー1年目をスタートさせた。

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■3年連続“投手四冠”

パ・リーグで3年連続で投手四冠を獲得し、沢村賞、MVPにも3年連続選出。日本球界最強右腕が投手史上最高総額の12年3億2500万ドル(約455億円)で名門ドジャースに招き入れられた。

巨額の契約でドジャース入りした山本だが、当然期待も大きい。オリックス最終年は16勝6敗、169奪三振、防御率1.21の成績を収めた山本には世界一を狙うドジャースにおいてもエース級の働きが求められている。

過去沢村賞の翌年にメジャーにわたった日本選手は2人。2013年に前人未到の「24勝無敗」で日本球界を席巻し、ヤンキース入りした田中将大(現東北楽天ゴールデンイーグルス)投手、15年に15勝8敗、175奪三振、防御率2.09の成績を残し、ドジャース入りした前田健太(現タイガース)投手である。

■田中は1年目前半で12勝

田中はヤンキースでプレーした2014年、日本での好調を維持したまま5月に月間MVPを受賞するなど、前半戦だけで12勝を挙げる活躍でオールスターにも選出。しかし、右ひじ靭帯の部分断裂の影響で後半戦は戦線離脱もあり1勝で、規定投球回に到達できず。13勝5敗、141奪三振、防御率2.77と安定した成績は残したものの、24勝と無双状態だった日本時代からはトーンダウンした。

一方の前田はドジャースでのルーキーシーズンとなった2016年、開幕から先発ローテーション入りすると、デビュー登板で本塁打を放つ活躍で初勝利を飾る。その後、前半、後半とともに8勝を挙げる活躍でリーグ5位の16勝で、179奪三振をマークし防御率は3.48。日本ハムからレンジャーズに移籍したダルビッシュ有(現パドレス)投手が12年に記録したメジャー1年目の最多勝利記録に並んだ。

歴代沢村賞2人の数字を見ても、山本には最低でも2桁勝利は求められる。同じくドジャース入りした大谷翔平投手やムーキー・ベッツ内野手など打線の援護が見込めることを考えると、田中の13勝を超え、前田、ダルビッシュがマークした“16勝”という数字は一つの指標になってくるのではないか。

精密な投球と溢れる気迫が印象的であったヤンキース時代の田中将大 (C)Getty Images

■千賀はメッツでエース級の働き

また、昨年メッツ入りした千賀滉大投手の成績も一つの目安となるだろう。

千賀はシーズン途中からエース級の活躍で12勝を挙げ、202三振で防御率はリーグ2位の2.98を記録した。日本選手の防御率2点台はドジャースで活躍した“パイオニア”野茂英雄氏が1995年に記録した2.54以来のこと。山本は日本で4度の防御率1点台を記録しており、メジャーでは野茂氏が記録した“2.54超え”にも期待したいところ。

キャンプイン初日で山本は順調にブルペン入りし、メジャーでの生活をスタートさせた。2025年には大谷との日本最強ローテ形成にも期待がかかるなか、過去最高とも言っていい日本での実績を引っ提げてのメジャー1年目。前田、ダルビッシュの勝利記録や野茂氏の防御率など、歴代日本人メジャーリーガーの数字を上回れるかには期待が高まる。

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(Y.Imoto/SPREAD編集部)

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