親近感が湧く?パリ五輪のメダル、実は「サッカーとの共通点」があった

ことし夏にパリで開幕するオリンピック・パラリンピック(パリ五輪)。その大会で選手に授与されるメダルのデザインがパリ近郊で公開された。

デザインについてはQolyでも9日にお届けしたが、簡単に触れるとオリンピックとパラリンピックで授与される、金、銀、銅の全6種類のメダルには、いずれも中心部にパリの象徴であるエッフェル塔の鉄製の柱から切り取られた金属をあしらっている。

本物のエッフェル塔とは、パリならではの特別なデザインだ。

既にお気づきの人もいるかと思われるが、今回のメダルデザインをよく見るとサッカーといくつかの共通点が見えてくる。正しくは「フランスサッカー」と言うべきだろうか。

各メダルの表面にあしらっている六角形のエッフェル塔の金属。この形はフランスサッカー連盟(FFF)のエンブレムと同じ形状だ。この形はサッカーと言うよりは、ある意味で“フランスそのもの”でもある

FFFの正式なエンブレムがこちら。本部ビルにも六角形エンブレムがディスプレイされている。ユニフォームには雄鶏部分のみを使用しているので、このロゴマークは普段あまり目にしないかもしれない。

この形はフランスの国土を表現しているもの。地図で見るとそのシルエットは確かに六角形的だ。そのためフランス人は自国を別称で“六角形の国”(L'Hexagone)と表現することもあるとか。フランスで発行される記念コインに六角形がよく使われているのも、それが理由なのだろう。

そしてメダルにはあと2つ、サッカーとの共通点を持つ“あるもの”がデザインされている。

各メダルの表面はオリンピック・パラリンピックのどちらも「六角形」だが、裏面は大会ごとにデザインが異なる。

青いリボンのオリンピック用(左側)には「ギリシャ神話の勝利の女神ニケとエッフェル塔」を、そして赤いリボンのパラリンピック用には「真下から見上げたエッフェル塔」を、それぞれデザインしている。

女神ニケの名は英語表記だと「Nike」。フランス代表のキットサプライヤーでもあるアメリカのスポーツブランド『Nike(ナイキ)』の社名の由来となったもので、スウッシュと呼ばれるロゴマークもニケの彫像の翼がモチーフだ。

そしてエッフェル塔にもサッカーと共通点がある。サッカーの世界でエッフェル塔と言えば、あのチームしかない。

今夏の五輪の開催地パリを本拠地とする強豪パリ・サンジェルマンだ。1970年に創設されたPSGは、1972年に初めて赤いエッフェル塔をデザインしたエンブレムを使用した。

現在のエンブレムは2013年から使用しているもので、クラブを保有するカタール・スポーツ・インベストメント側の要望で若干のデザイン変更がなされている。

そしてPSGのエッフェル塔はエンブレムだけではない。実はユニフォームに直接デザインしたこともあるのだ。

PSGは1990-91、1991-92の2シーズンのホームユニフォーム(当時は白がホームだった)に、エッフェル塔をダイナミックに描いている。

上記画像は91-92シーズンモデルの復刻レトロユニフォームだが、サプライヤーのNikeロゴが無い点を除いてはほぼ忠実に再現している。左肩からタスキのように描くエッフェル塔がアート的だ。実はPSGの来季(2024-25シーズン)のアウェイユニフォームには、この大胆なエッフェル塔デザインが33年ぶりに復活すると噂されている。

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パリ五輪イヤーに登場する新ユニフォームのデザインがパリの象徴エッフェル塔。噂が真実なら狙ったとしか思えない絶妙なタイミングだ。

1924年以来100年ぶりにパリで行われるオリンピックは2024年7月26日に開幕。メダルの製造を担当するパリ造幣局では、大会までに約5,000個のメダルを用意するという。

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