ブレイクの予感! 鹿島の大卒ルーキー、右SB濃野公人が偉大な先輩越えを誓う。水戸戦で好プレー、開幕スタメンに名乗り

2月10日、プレシーズンマッチ「いばらきサッカーフェスティバル」が県立カシマサッカースタジアムで開催。鹿島アントラーズと水戸ホーリーホックが対戦し、樋口雄太のゴールで鹿島が1-0の勝利を収めた。

この試合で際立つプレーを見せ、ブレイクの予感を漂わせたのが鹿島の大卒ルーキー濃野公人だ。右SBで先発し、70分に交代するまで攻守の両面で奮闘した。

「やっと鹿島の一員になれたと感じました」と、本拠地カシマスタジアムでのデビューに感慨もひとしおだという。

プレーはいたってクレバーだった。右サイドでコンビを組んだ藤井智也とは頻繁にコミュニケーションを取り、ベンチに下がって以降もお互いのプレーを振り返り合った。

「前半は、智也君と結構良い関係性でゴール前まで持っていくシーンが何度かあった。練習の成果を出すことができた部分もありました。それは良かった点です。ただし、抜け出してからの質はまだまだ上げていかないといけない」

右サイドを突破できていたプレーには手応えを掴んだ。一方で、決定機まで繋げられなかったクロスやラストパスには課題を感じたという。

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それでも、俊足の藤井を活かすように、大外のレーンを空けてインナーラップで助ける動きを繰り返すなど、“外”だけでなく、“内”でもプレーできるのが大きな強みだ。

濃野は、熊本県の大津高時代はFWやトップ下でプレーし、大学時代に右SBへコンバートされた。“内”に入った際のプレーの多彩さは、そんな経歴からも裏打ちされている。

「昔は中間ポジションを好む選手だったので、そういう経験が今に活きていると思います。自分が内側の高い位置を取ることで、中が渋滞するデメリットもあると思いますが、攻撃の厚みも出せると思っています。チームメイトの先輩方がそれを感じとって、ポジション空けてくれたりと、チームの中で自分の立ち位置が少しずつ理解してもらえていると感じています」

加入から間もないものの、練習後には日替わりで先輩たちから食事に誘われるなど、ピッチ内外でサポート体制は万全。その期待に応えるように水戸戦では溌溂としたプレーを披露した。

今後は「鹿島の諸先輩たちに並んで、追い越せるような存在になりたい。右SBとしてそんな先輩たちとともに名前が挙がるような選手になりたい」とリーグを代表するようなプレーヤーを目ざしているという。

2月23日に迎える名古屋グランパスとの開幕戦でスタメンに名を連ねることができるか。その活躍に注目だ。

取材・文●渡邊裕樹(サッカーダイジェスト編集部)

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