真冬は使いかたが変わる!年明け前後で変化する白菜を存分に活用するコツを野菜ソムリエが解説

秋のうちから出回り、春先まで出荷量の多い状態が続く白菜。
長い旬の期間を持つ白菜ですが、年が明けた頃から出荷される白菜の味わいが変化していることをご存じでしょうか。

今回は、野菜ソムリエ・気象予報士・防災士の資格を持つ植松愛実さんが、年明け前と年明け後で変わる白菜のおすすめ調理法を解説します!

秋~初冬の白菜は「みずみずしい」

白菜の出荷は例年10月頃から次第に増えますが、年内に出荷されるものはみずみずしく、葉がやわらかいのが特徴です。
そのため、生で食べるのに向いています。

サラダにしてもおいしいですし、浅漬けや、塩昆布和えもおすすめ。
葉の部分はザク切りに、軸の部分は薄くスライスすることで食べやすくなります。

また、加熱して食べる際も、サッと短時間で茹でたり炒めたりするのがおすすめです。

真冬の白菜は「甘み」が増す

年が明けて、1年でもっとも寒い時期を迎えると、葉や軸が分厚い白菜が多く出荷されるように。
そのため年明け以降は、じっくり時間をかけて加熱するのが向くようになります。

火がしっかり通った白菜は甘くなるだけでなく、トロトロの食感に。
煮物はもちろん、白菜は洋風の味つけも合うので、グラタンやスープもおすすめです。
白菜に含まれている食物繊維やミネラルは熱に比較的強く、しっかり加熱しても壊れにくいのもうれいしところ。

鶏肉や豚肉などの肉はもちろん、ベーコンやウインナーとの相性もよいため、筆者はよく、“ベーコンと玉ねぎのコンソメスープ”の玉ねぎの代わりに冬はザク切りの白菜を入れています。

鍋料理では加熱時間を調整して

自宅で鍋料理をする際、火のとおりやすい具材と火がとおりにくい食材とに分けて段階的に投入していくと思いますが、白菜をどちらのグループに入れるかも、時期によって変わってきます。

年内ならサッと加熱するグループ、年明けならじっくり加熱するグループへ。
具材に長ネギやきのこも使う場合は、軸は長ネギ、葉はきのことそれぞれ同じくらいの時間煮るとトロトロで食べごろです。

冬の養生に欠かせない白菜を味わおう

例年2月頃まで出荷量が多く、手頃な値段で買える状態が続く白菜。
薬膳の考えかたでは、白菜は豆腐・大根とともに「冬の養生三宝」と呼ばれ、古くから滋養強壮によいということで重宝されてきました。

カロリーが低くダイエット食材のイメージもあるため栄養素が少ないと思われがちですが、ビタミンや食物繊維のほか、カリウムやカルシウム、亜鉛なども含まれていて、意外と優等生。
ぜひ安くておいしい間に旬の旨味を存分に楽しんでください。

■執筆/植松愛実…身近な食材でできる時短作り置き料理やパーティー料理、簡単に彩りを増やせる料理のコツや、いざという時に備える災害食まで、「食」に関する情報を発信。また、東北や東海、関西にも住んだ経験から、各地の伝統的な食材にも詳しい。野菜ソムリエ、食育インストラクター、気象予報士など保有資格多数。
編集/サンキュ!編集部

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