もう一つの関東大震災史 丹沢や箱根の山崩れ荒廃…80年続いた復興の歴史ひもとく

当時の写真を示しながら、関東大震災による山地の被害の甚大さを説明する内山さん=7日、厚木市中町

 関東大震災による丹沢・箱根山地の被害と復興をテーマにした講演会が7日、神奈川県厚木市内で開かれた。県森林協会専務理事の内山豊さんが講師を務め、被害の甚大さに加え、世界恐慌や太平洋戦争も影響し、約80年にわたって続いた復興事業の歴史などをひもといた。

 「もう一つの関東大震災史」と題した講演会は、県森林土木建設業協会(同市栄町、田代房男会長)の主催。約40人が聴講した。

 内山さんは関東大震災の被害について「丹沢や箱根の山が広範囲で崩れ、見るも無残な荒廃山地になった。2018年9月に起きた北海道胆振東部地震での林地崩壊面積は約4300ヘクタールと言われているが、関東大震災時は倍の約8600ヘクタールに及んだ」と説明。西丹沢の当時の写真を見せながら「崩れた斜面が白く雪山のようになった」と解説した。

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