広島新本拠地Eピースは何がすごい? 溢れる魅力と高まる期待をレポート「今までカープ一色だった」「スタジアムを中心とした街」

サンフレッチェ広島の新本拠地「エディオンピースウイング広島」、略称「Eピース」がついに誕生した。そのオープニングマッチとして、2月10日に行なったガンバ大阪戦は1-2で敗れ、白星発進とはならなかったものの、ほぼ満員の2万6418人が熱狂。大盛況のうちに幕を閉じた。

記念すべき一戦の取材を通して分かった新スタジアムの魅力を、サポーターの声を交えてレポートする。

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JR新白島駅から少し歩けば、Eピースは広島城とともに顔を覗かせる。遠くからも際立つ革新的な外観が、早くもサッカーファンを興奮に誘う。

広島市内中心地から徒歩10分。前本拠地のエディオンスタジアム広島と比べ、アクセスは格段に向上した。

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やがてスタジアムに到着し、中に入ってまず目につくのが超開放的なコンコースだ。360度ぐるっと囲むため、常時スムーズな移動が可能。ピッチ上の状況もすぐに確認できるため、臨場感が途切れることはない。

臨場感でいえば、ピッチとの距離の近さも圧倒的。スタンド最前列からわずか8メートルで、選手の息遣いまで聞こえてきそうだ。

また、幅32メートル、高さ9メートルと国内最大規模のビジョンも特長。実際に見ると想像以上、かつてないほどの迫力で、文字通りスケールの大きさを物語っている。

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そんな魅力満載のEピースは、来場したサポーターの目にどう映ったのか。キックオフのおよそ2時間前に声を掛けると、こんな感想を伝えてくれた。

「観客席とピッチが近い。柵とか何もないし壁も低いので、選手の声や雰囲気をすぐに直で感じられそう。羽のような屋根が突き抜ける感じも開放感があって、他のスタジアムにはない特長」

「J1のスタジアムはほぼ行った。そのなかでトップクラス、世界基準。一番の魅力はやっぱり近さ」

「海外と変わらない。プレミアリーグみたい。海外っぽい」

「すごい大きいわけじゃないけど、非常にコンパクトで、どこに座っても見やすい、本当に良いスタジアム。ホスピタリティにも色々気を遣っているし、自慢できる。音の大きさを調整できるセンサリールームもあるし、キッズスペースもびっくりするくらい広い」

「道が広いので混雑があんまりない。エディスタの時は1万人ちょいぐらいなのにすごい混んでた」

「アクセス面は前と比べる必要もない。良すぎる」

「僕ら安佐南区民なんですよ。前のスタジアムは家が近くて、自転車で行けるくらいだったので場所的には遠くなったけど、このスタジアムを見ると、できて良かったと思う」

「やっぱり街中にあるのが良い。今後行きやすい。見た目もすごくかっこいい。前あったところがすごく不便だったんですよ。行きはいいけど、帰りが大変みたいな」

「サッカー専用スタジアムを中心とした街。ここから一気にサンフレのファンが増えて、チームとして強くなっていくのかなと。そういう未来が見えた」

「全席種チケット完売ですごい。街の中ユニホームで溢れてましたからね。今までカープ一色だったから」

地元での人気は、ややプロ野球の広島カープに偏っている。パーク一体型で、「スタジアムを地域のハブに」をコンセプトとしたEピース誕生を契機に、紫と赤でより調和の取れた街となるか。あらゆる面で新スタジアムに期待は尽きない。

取材・文●有園僚真(サッカーダイジェストWeb編集部)

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