まさかのPKで3失点。机を叩いていたヨルダン人記者は茫然「...何も言いたくない」【現地発】

まさか3度目もPKを与えるとは夢にも思わなかっただろう。

現地2月10日に行なわれたアジアカップの決勝で、初めてファイナリストとなったヨルダンが連覇を狙う開催国カタールと対戦。1-3で敗れ、初優勝を逃した。

22分にアクラム・アフィフのゴールで先制を許したヨルダンは、後半に猛攻を仕掛け、67分にCFのヤザン・アル・ナイマトが同点ゴールを奪う。

しかし、73分に再びPKをアフィフに決められると、後半アディショナルタイムにもPKを献上。これをまたも11番に叩き込まれてハットトリックを許し、万事休した。

ラウンド16では、日本をグループステージで破ったイラクに劇的な逆転勝利を収め、準決勝では優勝候補の韓国に快勝するなど、ここまで快進撃を見せてきたが、3度もPKを献上しては、なす術がなかった。

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試合中、記者席の隣には、ヨルダン人記者のコンビが座っていた。興奮するなというほうが難しいだろう。チャンスを迎えると立ち上がり、それを外す度に机を叩いて悔しがっていた。

ただ、3度目のPKが決まると、茫然として沈黙。首を横に振るだけだった。

試合後、そのうちのひとり、『JRTV』のアルサナイバト・モハンマド記者に話しを訊くと、「今日のヨルダンは強くなかった。カタールのほうがよかったし、アフィフはベストプレーヤーだ。運がなかった。これがサッカーだ」と落胆を隠しきれない様子だった。

「3つのPKについては、どう考えていますか?」と尋ねると、「...ノーコメント。何も言いたくない」とまた首を横に振った。

決勝で力尽きたとはいえ、今大会のヨルダンは鮮烈な印象を残したのは間違いない。

取材・文●江國森(サッカーダイジェストWeb編集部/現地特派)

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