【日本三大絶景(日本三景)】宮城「松島」・広島「宮島」・あと1カ所はどこ?誰が決めた?

日本各地に点在する景勝地。そのなかで、古くから絶景として親しまれてきたのが、宮城県の「松島」、京都府の「天橋立」、広島県の「宮島」です。これらは、江戸時代初期に全国を行脚した儒学者、林春斎の著書『日本国事跡考』に登場し、以来「日本三景」として知られるようになりました。今回は、そんな日本三景(日本三大絶景)の特徴と見どころをご紹介します。

満月に近い日は神秘的な光景も!260の島が浮かぶ「松島」(宮城県中部の松島湾一帯)

「松島」とは松島湾沿岸に浮かぶ大小260余りの島の総称です。1902年に松島県立自然公園、1952年に国の特別名勝に指定されました。これらの島々は、かつて松島丘陵の高所に位置しましたが、波食により奇観を呈するように。島々がクロマツに覆われているのもポイントです。

そんな松島の魅力を満喫できるのが、「遊覧船」です。仁王島、鐘島、桂島といった奇岩を観覧できる「湾内一周定期コース」や「松島~塩釜片道定期コース」のほか、島々の岩肌や松を間近で見られる「随時運航小型遊覧船」、リアス式海岸特有の景観が楽しめる「奥松島・嵯峨渓周遊コース」(4月下旬~10月下旬)などがあります。

また、松島の月は2016年、「日本百名月」に認定されました。満月もしくは満月に近い日の月の出から2時間ほど、月明かりが島々の間を一筋の金色に染めます。この美しい光景を一度は目にしたいですね。

加えて、260余りの島々を一望したいのなら「四大観(しだいかん)」がベストスポット。松島の対岸・宮戸島のほぼ中央に位置する「大高森・壮観」、山頂には奥州三観音のひとつである富山観音がある「富山・麗観」、島々を背景に塩釜港に出入りする船舶の往来も楽しめる「多聞山・偉観」、松島湾の入り江が扇のように浮かんで見える「扇谷 ・幽観」と、それぞれ趣の異なる景色が見られます。

松島

住所:宮城県松島町松島字町内98-1(一般社団法人松島観光協会)

電話:022-354-2618(一般社団法人松島観光協会)

交通アクセス:JR東北本線「松島駅」から観光中心部まで徒歩約25分

公式サイト:https://www.matsushima-kanko.com/

“股のぞき”で有名!龍が天に昇っているように見える「天橋立」(京都府宮津市)

何千年もかけて自然がつくり上げたアートともいえるのが、「天橋立」です。日本の名松百選や日本の名水百選、日本の道百選といった、複数の「日本百景」に選ばれています。

全長約3.6km、幅は約20~170mで、砂州に約6,700本もの松が生い茂っている地形が特徴的。その様子は、龍が天に昇っているように見えます。天橋立の中を歩いたり(片道約50分)、自転車(片道約20分)に乗ったり、海水浴場で泳いだりすることも可能です。

また、天橋立公園内には、951年に来訪した昭和天皇の句碑のほか、与謝野寛・晶子夫妻の歌碑なども点在しています。さらに周りを海に囲まれていながら、まったく塩気を感じない湧水「磯清水」も! この湧水は、1985年「日本の名水百選」に認定されました。

©️一般社団法人 京都府北部地域連携都市圏振興社

天橋立の全体像を眺めたいのなら、文珠山山上にある「天橋立ビューランド」の飛龍観回廊へ。天橋立を南側から一望できます。

さらに、成相山中腹にある「傘松公園」もおすすめのビュースポット。天橋立を北側から一望できる展望所があり、天橋立を股の間からのぞくと天地が逆転したように見える「股のぞき」発祥の地として人気です。

天橋立

住所:京都府宮津市文珠天橋立公園

電話:0772-22-8030(天橋立駅観光案内所)

交通アクセス:京都丹後鉄道「天橋立駅」から徒歩約5分

公式サイト:https://www.amanohashidate.jp/

見どころが豊富!島そのものが神として信仰されてきた「宮島」(広島県廿日市)

1996年に世界遺産に登録された「宮島」は、太古から自然崇拝の対象として崇められてきました。海上に佇む厳島神社は、御神体である宮島の木々を切ったり、傷つけたりしないように、あえて潮の満ち欠けにある場所に造られたといわれています。

本殿を中心とする左右の廻廊でつながる客神社のほか、天神社、能舞台などが周囲の自然と調和し、神秘的かつ独特な美しさを醸し出しています。

一度訪れると「また来たい」と思うのが宮島。花崗岩が風化した奇岩怪石や原生林が残る、標高535mの「弥山」、天候に恵まれれば遠く四国が見える「宮島ロープウェー」、未完の木造の大経堂「豊国神社(千畳閣)」など見どころ盛りだくさんです。訪れる時間帯や季節により、風情が変わるのも魅力。

また、宮島には光明院の恕信(じょしん)という僧侶が選んだ「厳島八景」があり、桜の名所「大元桜花(おおもとおうか)」や厳島神社の総灯明「厳島明燈(いつくしまめいとう)」、蛍が舞う白糸の滝の付近「瀧宮水螢(たきのみやのほたる)」といった宮島ならではの自然美が見られるかもしれません。

江戸時代の宿場の雰囲気が残る、表参道商店街にも注目です。焼きカキやあなごめしなど瀬戸内海のおいしい料理を堪能できますよ。

宮島(厳島)

住所:広島県廿日市市宮島町

電話:0829-44-201(一般社団法人宮島観光協会)

交通アクセス:宮島口桟橋からフェリーで約10分

公式サイト:https://www.miyajima.or.jp/index.php

[参考]

日本三景

天橋立観光ガイド

松島町

Dive!Hiroshima/ひろしま公式観光サイト

一般社団法人宮島観光協会

[Photos by Shutterstock.com]

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