大分市で12日に「おおいた理容文化祭」 ヘアマネキンのカット体験や頭皮診断も【大分県】

「理容師の仕事の楽しさを発信したい」とイベントをPRする鳴海慎吾さん=大分市市のカットハウスなるみ

 【大分】理容業の楽しさを紹介する体験型イベント「おおいた理容文化祭」が12日正午~午後3時半、大分市東大道の明日香美容文化専門大学校である。若い世代の職業選択の一つにしてもらおうと、県理容生活衛生同業組合大分支部(甲斐弘堂支部長、75人)が初めて開く。無料。

 オープニングで組合員らが餅をついて振る舞う。親子体験ブースでは、はさみの持ち方や前髪の切り方を教わりながら、ヘアマネキンのカットに挑戦。顔やうなじをそってもらうシェービング、頭皮診断もできる。展示ブースには職人技を生かした作品が並ぶ。

 組合に所属する県内の理容師は現在448人。1500人近くいた1980年代の3分の1まで減り、高齢化や後継者不足が深刻になっている。県内では2010年に養成機関がなくなり、理容師を目指す若者の多くが福岡市などの大都市圏へ。人材の流出も課題という。

 一方、明るい話題も。バリカンを使い、グラデーション状に短く刈り上げる「フェードカット」が世界で流行。女性向けシェービングの人気が高まるなど、理容師ならではの仕事が脚光を浴びている。

 組合大分支部の教育部長、鳴海慎吾さん(51)=大分市市=は「技術を磨く傍ら、趣味やおしゃれなど自分の時間を楽しみ、人生を謳歌(おうか)している理容師が多い。人間的な魅力にも触れてほしい」と来場を呼びかけている。

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