【上達に大切なポイント】バランス感覚について

どんなスポーツにおいてもバランス感覚は必要です。特に乗馬は、いかにバランス良く騎乗することができるかがカギとなります。
今回は、乗馬に必要なバランス感覚についてまとめました。

バランス感覚が必要な理由

乗馬においてバランス感覚はとても大事です。バランスが取れていなければ、馬への合図(扶助)を正しく伝えることは難しいでしょう。
バランス感覚とは、乗り手が安定して馬の上にいることができるための感覚です。
馬へ指示を出すためには、からだの各部で左右異なる動きを正確に出したり、体を動かして色々な姿勢を取ります。
バランス良く馬に乗ることは、馬にとって乗り手がバランスを保つ際に余計な動きや力を受けることがないため、正確な扶助を受けることができるので、馬も最小限の負担で動くことができるのです。

具体的には以下のような動きが乗馬には必要となります。これらの動きは、バランスを保つことで出来るようになります。
①乗り方に応じた騎乗姿勢ができる
馬場馬術と障害馬術では騎乗姿勢が異なります。馬場馬術では鞍にお尻をしっかりつけて上体を真っすぐ起こした姿勢に、障害馬術ではツーポイントで前傾姿勢となります。
②両ひじ、両拳を自由に動かすことができる
・両拳を手首を折らずに手のひらを上に向けたり、伏せたり、開くことができる。
・両ひじの位置を変えずにひじを折ったり伸ばすことができる。
・脇を締めて角度を保ち、身体の後ろまで引いたり戻したりする。
③両ひざやふくらはぎ、かかとを自由に動かすことができる
・両ひざ(太もも)を引いて減却する。
・外方のひざを引いて内方姿勢をとる。
・両ひざを踏み下ろして推進する。
・ふくらはぎは常に密着させて体を安定させる。
・かかとで馬体を圧迫するように、しっかり密着させた状態のまま馬の状態に合わせて強弱を調整する。
・かかとは同時に使用したり片側だけあるいは左右交互に使用する。この時ひざは上げない。

上記以外にも、上級者はさらに多くの扶助を騎乗中におこなっています。沢山あるので難しく感じるかもしれませんが、少しずつ身につけていきましょう。

バランスが安定しないのは何故?

馬にバランス良く乗るためには、馬の動きにスムーズに合わせることができる柔軟性が必要です。特に乗馬では股関節の柔らかさが重要となります。また体を緊張させず、いかに力を抜けるかが重要なため、一般的に大人よりも子どもの方が上達は早いです。
とはいえ、初心者はどうしても脚に力が入ってしまい、なかなかバランスを保つことが難しいものです。
バランスが安定しない理由は、力の入れ方がわかっていないからです。バランス感覚は経験によって身につくものですが、ご自身で鍛えることもできます。
どのような鍛え方が効果的なのでしょうか?

バランス感覚の鍛え方

それではバランス感覚の鍛え方について説明します。

バランスを取る際には、鐙ではなく坐骨でバランスが取れるように心がけましょう。腰を張って坐骨が起きることを意識すると、姿勢も美しくバランスも取りやすくなります。
横から見たときに、頭・肩・お尻・かかとが一直線上になっていれば前後のバランスも整っています。
バランスを保つことで、馬の動きにもスムーズに対応できるようになります。

バランス感覚を鍛えるため、バランスボールを使ってのトレーニングもおすすめです。
両足を地面につかないようにしてバランスをとります。バランスを取るためのポイントは、姿勢を正して坐骨で座ることです。

初心者の方には、軽速歩をマスターすることでバランス感覚を鍛えることもおすすめです。
鐙を支点にバランスを保ち、上半身が後ろに置いていかれないよう意識的に斜め前方に立つと良いでしょう。

バランス感覚が何となくつかめてきたら、今度はそのバランスを安定させましょう。
バランスを安定させる方法とは、体を支える面積を増やすことです。

騎乗中にお尻だけ、足だけなど、ついつい一点でバランスを取ろうとします。
支える場所が多くなるほど、安定感はアップし、「座り」が作りやすくなります。

下半身には、腰回り、お尻のお肉、股関節、膝上、ふくらはぎ、足の裏など沢山のパーツが存在します。
それぞれのパーツに体重を分散することで、1点に体重が集中するのを防ぐことが出来ます。
分散の仕方は、好みや乗り方によって違います。これは乗馬の経験によって少しずつ培われていきます。ご自身に合った方法を見つけて下さいね。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

今回は乗馬に必要なバランス感覚についてまとめました。
馬の動きに合わせて柔軟に体を動かすためには、まずはご自身が馬上でぐらつかないような柔軟性を身につけましょう。
馬のスピードに置いていかれないこと、揺れについていけることはバランス感覚を身につけるための第一歩です。

決して難しいことではありません。
レッスンを重ねることで、少しずつ感覚を身につけていきましょう!

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