モンフィスがエキジビションで大会役員を傷つけ失格に!「これは事故であり、それ以上のものではない」と本人釈明<SMASH>

現在行なわれている男子テニスのエキジビションマッチ「アルティメット・テニス・ショーダウン(以下UTS)」(2月9日~11日/ノルウェー・オスロ/ハードコート)に出場した元世界ランク6位のガエル・モンフィス(フランス/現70位)が、ロッカールームでスーパーバイザー(大会責任者)にケガを負わせて失格処分を受けるというまさかの事態が発生した。

8分×4クォーター制(3クォーター先取で勝利)ならびに制限時間までのポイント数を競う変則ルールで開催されている本イベントは、モンフィスの他、ホルガー・ルネ(デンマーク/7位)、アレックス・デミノー(オーストラリア/11位)、ドミニク・ティーム(オーストリア/元3位/現90位)、ブノワ・ペール(フランス/元18位/現110位)らそうそうたるメンバーが集結。9日に行なわれたデミノーとのラウンドロビン(総当たり戦)第1戦に12-15、8-17、9-16で敗れたモンフィスは、同日に予定されていた第2戦で同郷のペールと対戦するはずだった。

ところが試合開始直前になって突如大会側がモンフィスの失格および元世界10位のルーカス・プイユ(フランス/現313位)の代替出場を発表。当初大会側はモンフィスに失格処分を課した理由について「スーパーバイザーに対する行動規律違反があった」とだけ報告していたが、10日には公式X(@uts_tour_)を通じて声明文を出し、以下のように詳細を説明した。

「昨日(9日)、ロッカールームでガエル・モンフィスとスーパーバイザーのステファン・アポストルーとの間でふざけたやり取りがあり、その結果スーパーバイザーが軽いケガを負いました。UTSはガエルに悪意がなかったことを100%理解していますが、軽傷とはいえ大会役員が負傷した以上は、ガエルを失格にする以外に選択肢はないと判断しました。ガエルは失格処分を受け入れ、彼とスーパーバイザーは友好的に別れました。ガエル・モンフィス、また次回お会いしましょう」
海外メディア『UBITENNIS』によると、モンフィスはデミノーとの試合中に各クォーターで1度だけ使用できる“ボーナスカード”(次のポイントが3倍になるUTS独自のルール)の使用をなぜか認められなかったことに苛立ちを見せていたという。それがスーパーバイザーとのいざこざにつながったのではないかと伝えられているが、真相は定かではない。

モンフィス自身は騒動後にSNSを更新し、UTSの発表をなぞる形で以下のように説明した。

「オスロのUTSで起きたことをみんなに伝えたい。UTSからの直接のリリースの通り、私に悪意や反感はなかった。虐待も暴力もない。しかし、ロッカールームでふざけていた時、ステファンは不運にもケガをしてしまった。傷つけるつもりも、危害を加えるつもりもなかったし、ありがたいことにステファンはそのことを知っている。私を知っている人は、私がそんな人間ではないことをわかっている。

ステファンと私は握手をして前に進んだ。失格になったことで、バックステージで問題や口論があったように見えるが、実際はそうではなく、これは事故であり、それ以上のものではない。平和と愛を」

かねてからUTSに積極的に参加してきたモンフィス。ひとまずスーパーバイザーや大会側と和解できたのであれば何よりだ。

文●中村光佑

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