【検証】炭酸が抜けにくくなる保存方法!シュワシュワが抜けておいしくなくなる前にいざ実践

コーラやサイダーなどシュワシュワ感がたまらない炭酸飲料。でも、一度プシュッと開けてしまうと少しずつ炭酸が抜けていき、最後のほうはおいしいともまずいとも言えないなんとも表現しがたい味に…。最後までおいしく炭酸を感じたい!ということで、炭酸が抜けにくくなる方法はないか調査しました。

炭酸はどうして抜けてしまうの?

そもそも、炭酸はどうして抜けていってしまうのでしょうか?

高い圧力をかけて水に二酸化炭素を溶かしたものが「炭酸水」。二酸化炭素は圧力が高いほど水に溶ける性質を持っているので、ペットボトルや缶を一度開けてしまうと圧力が下がってしまい、炭酸が空気中に抜け出てしまいます。

開栓しないと炭酸は抜けない?

キャップや蓋、栓を開けないと炭酸は抜けないのでは?と思いますが、どうやらそういうことでもなく、温度が高くなったり物理的な衝撃が加わったりすることで炭酸が抜けていくことも。

また、一般的な炭酸飲料は、消費期限が切れた後も飲むことはできますが、半年を過ぎると未開栓でも炭酸が抜ける場合があるのだそう。炭酸飲料を大量にストックしている方は消費期限を確認して、期限を過ぎているものがあれば早目に飲んだほうがよさそうです。

炭酸を長持ちさせる保存アイデア【3】

一度開けてしまうと炭酸は抜け続けて復活することはないと分かりました。でも、すぐに飲み干せないときや、容量が多い炭酸飲料を少しずつ飲むときもありますよね。そんな場合でもなるべく炭酸がある状態をキープしたい!そこで、炭酸を長持ちさせる保存方法をご紹介します。

①キャップをきつく閉める

なるべく空気中に二酸化炭素が漏れ出ないようにしなければなりません。キャップをぎゅっときつく閉めることが、基本的なやり方ですが一番重要なことです。

②冷蔵庫で立てて冷やす

炭酸が抜ける要因は温度も関係しています。二酸化炭素などの気体は温度が高くなればなるほど水に溶ける量が減るので炭酸が抜けやすくなります。開栓した炭酸飲料は、すぐに飲まない場合は冷蔵庫で冷やすようにしてください。

その際、液体と空気が接する面が多いと炭酸は抜けやすくなるので、横向きにするより立てて保存するほうが◎。

冷蔵庫の大きさによっては1.5Lの大きいペットボトルを立てて保存するのは難しい場合もありますよね。そんなときは、500mlのペットボトルなどに小分けにして入れ替えて保存しても。

これは場所的な問題をクリアする方法ですが、炭酸が抜けるスピードを遅らせるためのアイデアでもあります。飲みかけの炭酸飲料を大きいペットボトルに入れておくと、液体が空気に触れる表面積が大きくなるので炭酸が抜けやすくなりますが、小さいペットボトルに入れ替えることで表面積が小さくなります。

この入れ替える方法は、缶の炭酸飲料を飲んだ場合も使えそうですね。

入れ替える場合のペットボトルは清潔なものを使用し、かつ、空気に触れる時間を短く手早く!がポイントのよう。入れ替えても入れ替えなくても、いずれにしても早く飲み切るのがいいですね。

③便利グッズを活用

炭酸が抜けるのを防ぐ便利グッズも発売されています。こういった便利グッズを活用するのも手です。

例えばコレ。100円ショップのダイソーで売られている『炭酸を逃しま栓』(税込110円)。ダジャレの効いたネーミングです(笑)。

ポンプ式の炭酸抜け防止キャップの使い方を見て、実際に使用してみました。

同じメーカーの炭酸水を2本用意してそれぞれ200ml減らしたあと、左はそのままキャップをきつく閉めて、右は『炭酸を逃しま栓』を装着して冷蔵庫で保管。

…そして6時間後。

右の『炭酸を逃しま栓』をしたほうが炭酸が残っていました!気泡がたくさん!キャップを開けた瞬間からも、通常キャップはプシュ―、『炭酸を逃しま栓』はプシュッ!と勢いが違いました。ただ、飲んでみると通常キャップにも炭酸は残っていて、そこまで大きな変化は感じませんでした。時間を置くにつれて差が出てくるのでしょうか。

『炭酸を逃しま栓』ふざけた商品名で半信半疑でしたが(失礼!)、かなりのスグレモノなことが分かりました。

ただし、ダイソーオンラインには「本品は炭酸を100パーセント逃がさないことを保証する物ではありません」という注意書きが。『炭酸を逃しま栓』を装着したからといって炭酸のシュワシュワ感がずっと持続するわけではありませんので、そのあたりを踏まえて購入を検討してくださいね。

【あくまでウワサ?この方法はどう?】

アイデアの中には「ペットボトルをへこます(潰す)と炭酸が抜けない」という方法もありましたが、どうやらこちらは効果がないという声がチラホラ。ペットボトル内の空気を少なくすることから編み出されたもののようですが、時間が経つとへこみが元に戻ってしまう、へこませたことで逆に炭酸が抜けるスピードが早くなる、とも。

さらに、ペットボトルを逆さまにすることで炭酸が抜けるのを防ぐとX(旧Twitter)で拡散されていたことがありました。こちらも、飲料メーカーによると、上下の向きの違いで炭酸が抜ける量に変化が出たデータはないとのことで、噂レベルの話しのようです。

コップやグラスに注いで飲むときはどうすればいい?

ペットボトルや缶、瓶から炭酸飲料をコップやグラスに注いで飲むこともあると思います。そこに入れた炭酸飲料は空気にさらされていつ炭酸が抜けてもおかしくない状態に!注いですぐグビッっと一気飲みすればいい話ですが、そうもいきません。そこで、コップやグラスに注いで飲むときのコツもお伝えします。

①コップやグラスを冷やす

炭酸が抜ける要因のひとつには温度が関係しています。飲料を冷やせば炭酸の抜けが遅くなるので、コップやグラス自体を冷やしておき、冷たい炭酸飲料との温度差をなくしておきましょう。

②氷は洗っておく

空気や温度以外にも、物理的な衝撃が加わることで炭酸は抜けていきます。炭酸飲料を注ぐときに氷についた霜だったり角の尖りだったりに触れて一気に気化して炭酸が抜けてしまうそう(炭酸ってすごく繊細なんですね…!)。

氷を水で洗って氷全体を滑らかにしておく。このひと手間が、炭酸飲料をおいしく飲むコツです。これは、BARで働くバーテンダーの方も活用している方法だそうです。

③注ぎ方にも工夫を

注ぐときに勢いよく入れたり氷に当たったりするような入れ方をすると、それも「衝撃」となり炭酸が抜ける原因に。注ぐ際はなるべくコップやグラス面に沿わせるようにすることがポイントです。

炭酸をこぼさずに開ける裏ワザはある?

うっかり炭酸飲料を落としてしまった…!振ってしまった…!そうなったときに心配なのは、「吹きこぼれ」です。ネットやSNSに投稿されていた「炭酸をこぼさずに開ける裏ワザ」を最後にご紹介します。

炭酸飲料が吹き出しやすいのはどうして?

そもそも、炭酸飲料が吹き出しやすいのはなぜ?という疑問の答えが、様々な炭酸飲料を販売しているダイドードリンコ株式会社のホームページに掲載されていました。

「炭酸飲料は、冷やした液体に圧力をかけて炭酸ガスを強制的に溶け込ませているため、開栓時には、液体から炭酸ガスが外に出ようとする力が働きます。振動や衝撃が加わると、中身液に溶けこんだ炭酸ガスが分離し、容器内の圧力が急激に上昇するため、開栓時に泡となってふきだしてしまうことがあります。

中身の温度が高くなった場合は、炭酸ガスの分離がさらに促進されるため、僅かな衝撃でも開栓時に中身がふきだしやすくなります。開栓は、冷やして静置の上、少し待ってから、ゆっくりと開けていただくようお願いします。」

衝撃を与えてしまったペットボトルや缶は、炭酸ガスの分離を落ち着かせるためにしばらく時間を置くことが大事だそうですが、今すぐ飲みたい!という場合は、こんな裏ワザを試してみるのもアリかも。

・横にしてコロコロ転がす
・何回かデコピンする
・スプーンやフォークなどでコンコン叩く

これらの方法の原理は、落としたりして衝撃を受けたことで容器の内側側面についた気泡(二酸化炭素)を、再び叩いたりコロコロ転がしたりして刺激を与えて内部の気泡を取り除き、吹きこぼれにくくするというもの。

実際にこの裏ワザを試してみた方々のレポを見ると、まったく吹きこぼれなかったという声もあれば、デコピンは効果があったけどコロコロ転がすのは失敗した…など様々でした。

吹きこぼれ具合を検証してみた!

ネット上の声が様々だったので、実際に試してみました。使用したのは160mlの缶の炭酸飲料。

・横にしてコロコロ転がす:ゆっくり往復10コロコロ
・何回かデコピンする:まんべんなく全体を50デコピン
・スプーンやフォークなどでコンコン叩く:まんべんなく全体を50コンコン

回数に決まりはないようですが、転がすのは往復10回、デコピンとスプーンでコンコンは50回やってみました。コツは特にありませんが、なんとなく"やさしく扱う"を心がけました。

3缶を振って振動と衝撃を与え…結果はコチラ!

デコピン缶だけ勢いよく吹きこぼれました!コロコロ転がした炭酸飲料も開けたときにあやしい感じがしましたが、吹きこぼれることなく開栓でき、スプーンでコンコンは、プシュッとした瞬間に「あ、コレ大丈夫そうだな」と思い、そのまま安心して開けることができました。(※あくまで個人検証の結果です)

ここで紹介したコツや裏ワザを実践して、なるべく吹きこぼすことなくシュワシュワが抜ける前においしく飲みたいですね!

まとめ/片桐理恵

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