ひな飾り、伝統の美しさ華やかに 江戸-昭和初期の人形など150点展示、初公開も 兵庫・龍野歴史文化資料館

伝統技術が詰まったひな人形が並ぶ会場=たつの市龍野町上霞城、市立龍野歴史文化資料館

 江戸時代から昭和初期までのひな飾りなど約150点を紹介する特別展「ひいな-伝統美の共演-」(神戸新聞社など主催)が10日、兵庫県たつの市龍野町上霞城の市立龍野歴史文化資料館で始まった。龍野城の城下町で受け継がれてきたひな人形や、関西を中心に流行した「御殿飾り」が、館内を華やかに彩っている。(真鍋 愛)

 同館がある龍野城下町は太平洋戦争で空襲を免れ、しょうゆ醸造業者ら旧家に伝えられてきたひな人形が数多く現存している。全国からの寄贈もあり、同館はひな祭り関連の作品を千点以上収蔵しているという。

 会場では、庶民が災いを移すために使い、ひな人形のルーツとされる「天児(あまがつ)」や「這子(ほうこ)」、袖に豪華な刺しゅうを施した「見栄っ張りびな」など、多種多様な作品を紹介している。

 初公開の「御殿飾り」は、1889年のパリ万国博覧会で金賞を受賞した「人形司」の大木平蔵作。京都御所の紫宸殿(ししんでん)を模したきらびやかな舞台で、内裏びなが優しくほほ笑んでいる。同市の塗師、岡田道明さん(65)が特別展のために手がけたたんすや長持を飾ったコーナーもある。

 展示を見た女児(6)=広島県=は「いろんな顔の人形がいて面白かった」とにっこり。新宮義哲館長(54)は「人形のかわいさや美しさの奥にある、日本の伝統技術を感じてほしい」と話した。

 3月24日まで。午前9時~午後5時。月曜と、2月13、14、27日は休館(同12日、3月18日は開館)。一般400円、65歳以上200円、学生100円。同館TEL0791.63.0907

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