こんにちは!BuzzFeedスタッフのハナです。
初めての子どもを出産してから、もう半年が過ぎようとしています。この半年間は、ジェットコースターのような毎日でした。
この経験が遠い記憶となって、曖昧になってしまう前に、私が驚いたことや学んだ教訓をみなさんと共有したいと思います。
私の経験が、これから親となる人たちに役立てば、あるいは、同じような経験をした人たちに共感してもらえれば嬉しいです。
注意:この記事は妊娠・出産後の、精神的な不調に関する記述を含みます。
同じような悩みを抱えている場合、無理に読み進めないようにしてください。
1. "自分らしさ"を取り戻すのには、時間がかかった
私の場合は、運がよかったのか、出産後の身体的な回復は早いほうでした。
身体面では、2週間ほどで、いつもの調子に戻ったと感じました。でも、精神面で"自分らしさ"を取り戻すのには、少し時間がかかりました。
「母親になること」自体に、とても夢中になっていたんです。私が産んだこの子に、圧倒されました。自分が作り出したこの人間に、どこか縛られているような気がして。自分らしくいられない、そう感じたんです。
そんな奇妙なアイデンティティの喪失を感じましたね。突然、私の肩書きが「母親」だけになって、自分を構成していた他のパーツが、消えてなくなってしまったと。
出産のあと数週間は、本を読むというごく簡単な行動でさえ、とても難しく感じました。ただただ、集中できなかったんです。
出産前は、料理の時間はリラックスタイム。自分にとっての癒しの時間でした。でも今となっては、パスタを作るためにお湯を沸かしていると、娘のエリーが泣き始めます。娘もお腹が空いているのです。
用事を済ませようとしたり、自分のために何かをしようとしたりするときはいつも『娘から離れてしまっているのでは』と奇妙な不安を感じるようになったんです。
自分らしさを取り戻すのには、時間がかかります。というより、まだ取り戻す過程にいますが…。
娘の世話をする責任と、自分自身に必要な時間のバランスをとる方法を学んでいく上で、少しづつ以前の自分に近づけているような気がします。
2. 自分の娘さえ、うまくあやすことができないなんて…
エリーが生後5週間の頃、私の家族と一緒に過ごす機会がありました。市街地から少し離れ、家族に少し手助けをしてもらうためです。
ちょうどこの頃から、いよいよ子育ては大変になってきました。それからの3週間というもの、エリーは泣きっぱなしで、まったく手が付けられない状態に。
必死にいろんな情報を探してみましたが、新生児のぐずりは今の時期がちょうどピークだ、と書いてありました。
でも「ぐずり」が適切な表現かというと、そうではありません。「ヒステリックな」あるいは「慰めようのない」泣き声が続くのです。とくに、夕方の5時から7時までが一番ひどい時間帯でした。
生後7週目、私は小児科医に電話しました。エリーが疝痛(せんつう)を患っているのではと疑ったからです。でも、医師には「新生児はこんなものです」と言われてしまいました。
赤ちゃんは、とってもよく泣くんだ、と何回も自分に言い聞かせる必要がありました。赤ちゃんの唯一の表現方法は、「泣くこと」なのですから。
疲れた、何か食べたい、暑い、寒い、おなかが痛いだの、彼らがコミュニケーションを取るには、泣くしかないんです。
ふと、こう思いました。自分の赤ちゃんをあやすことができないのが、一番つらいことなんだと。
赤ちゃんが泣いている1分1分が、すごくすごく長く感じられました。娘が泣き止むまで、2時間半ぐらいあやしていると思ったら、たったの15分しか経っていなかったり。
3. 以前の生活が恋しくなってしまった。同時に、罪悪感も感じた
初めて子どもを出産すると、以前の生活とはまったく違う生活を始めることになります。
私の場合は、病院から自宅に移るまで、そのことを本当の意味で理解できていませんでした。
そして、生まれたばかりの赤ちゃんを腕に抱くと、すべてのことが一気に変化します。あなたが、それをどれだけ理解できるかどうかはわかりません。
産後の生活というのは、本当に"感情のジェットコースター"のようなものです。
娘のエリーを抱っこすると、母親になることがどれだけ素晴らしいことか、実感できます。でも、新生児の赤ちゃんと家に閉じ込められているような感覚を覚えることもあります。
そういう時は、飼い犬を見つめながら泣くんです。そして、同時に罪悪感も感じます。昔だったら、何時間も散歩に連れて行ってあげられたのに…と。
母親であることが大好きになれました。でも同時に、夫に向かって『私たちは、いったい何をしてしまったんだろう』と尋ねる瞬間もありました。
当時、私はそんな考えを持っていることを恥じていました。でも、今振り返ってみると、私が感じていたのは、すべて正しかったんだと分かります。
赤ちゃんが生まれて、とっても嬉しかった。責任を負う覚悟は、もうできていました。
でも、映画を見に行ったり、ネイルサロンに行ったりといった、単純なことをする自由も本当に恋しくなっていました。
もちろん、今でも恋しいのは変わりません。
でも、エリーのかわいらしい笑い声を聞いたり、犬に触ろうと手を伸ばす姿を見たり、生まれて初めて見る雪を見つめて、真っ白な空を見上げる姿を目にすると、それは何事にも変えられない光景なんだと気付かされます。
この記事は英語 から翻訳・編集しました。翻訳:大久保 拓哉