新卒2年目ですが「上司より高い車に乗ってはダメ」と言われます。通勤で憧れのLEXUS ISに乗るのは失礼でしょうか…?

20代の憧れの車も高級車がランクイン

Aさんは、レクサス ISに憧れているそうですが、Aさんと同じくらいの20歳の方はどのような車を欲しいと考えているのか紹介します。ソニー損害保険株式会社(東京都大田区)が、2023年11月に、2003年4月2日〜2004年4月1日生まれの方1000人に対して行った「2024年 20歳のカーライフ意識調査」の結果をもとに見ていきましょう。

まず20歳の方に人気の車ランキングを見ると、図表1の結果となりました。

図表1

※表内の価格は全て税込み価格
ソニー損害保険株式会社「2024年 20歳のカーライフ意識調査」、各自動車メーカーホームページより筆者作成

20代にも人気が高い車は、トヨタのアクアやホンダのN-BOXです。トヨタのアクアは、燃費がよく価格は約200万~約260万円です。5位のホンダのN-BOXについても約165万~約236万円と手頃な価格といえます。一方で、レクサスのRX(666万~901万円)やNX(455万~約754万円)、BMWの1シリーズ(最低価格が398万円~690万円)や3シリーズ(568万円~約1085万円)などといった高級車も多くランクインしています。

特に男性は、上の2台に加えて日産のGT-R(最低価格1375万円)も5位以内に含まれていることから、Aさんと同じく高級車を買いたいと考えている方が多いことが分かります。

なお、Aさんが憧れているレクサス ISは、約481万~850万円と高級車の部類に入るといえるでしょう。

維持できるなら購入するのもおすすめ

ここからは、Aさんの上司の主張についてその理由を考察します。上司より高い車に乗ってはダメという主張は、昔は多くの会社で当たり前に信じられてきた考え方です。若手社員が高級車を購入すれば、上司や取引先からの印象が悪くなることもあり暗黙のルールとして存在していました。

とはいえ、現代社会へ変化する過程で、若手社員でも上司より高い車に乗って問題ないといった考え方も増えてきています。よって、基本的には新卒2年目のAさんが高級車を買っても問題はありません。

しかし、高級車を購入する場合は、慎重に検討する必要があります。高級車を購入する際には、ご自身の年収分~その数倍以上の費用がかかる可能性が高いからです。さらに、車に乗り続けている間もガソリン代、自動車税、車検費用といった維持費がかかるため、ローンでも車を購入できるから安心とはいえません。

車をAさんが欲しいレクサス IS(最も安い車と高い車で比較)を購入する場合の維持費を試算すると、図表2の結果となります。

図表2

※契約期間は36ヶ月、持ち込み車検、OSS審査なしの場合
※少数点第一位を四捨五入
トヨタ自動車株式会社「LEXUS GRADE」、国土交通省ホームページ、損保料率算出機構「自動車損害賠償責任保険基準料率」より筆者作成

さらに、任意保険の保険料もかかります、仮に年間13万円とした場合、レクサス IS300は約34万円、レクサス IS500F SPORT Performanceは約43万円の費用を支払わなければなりません。加えて多くの方は、ローンで車を購入することになるため、毎月の給料から車に支払う費用の負担は大きいといえます。

したがって、支払いが問題なくできそうかシミュレーションしてから購入することをおすすめします。

まとめ

昔に比べると、上司が自分よりも高い車に乗ってはダメと言われても高級車を購入しやすくなりました。しかし、社会人になってから年数が経過していない方は、現在の年収とのバランスを考えて購入するべきです。購入前に車の購入費用と諸費用を含めてシミュレーションしておくことをおすすめします。

出典

ソニー損害保険株式会社 2024年 20歳のカーライフ意識調査
トヨタ自動車株式会社 LEXUS GRADE
損保料率算出機構 自動車損害賠償責任保険基準料率
国土交通省 自動車税
国土交通省 令和5年度税制改正に伴う自動車重量税の税額の基本的な考え方(フローチャート) その5
国土交通省 令和5年1月1日以降の自動車検査手続きに関する手数料一覧(その1)

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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