天津と神戸の交流に尽くした4年間 「帰国後も両国友好のために」

天津と神戸の交流に尽くした4年間 「帰国後も両国友好のために」

江蘇省南京市主催の「金秋経済貿易商談会」の開幕式であいさつする高橋健司所長。(2021年10月11日撮影、南京=新華社配信)

 【新華社天津2月11日】中国天津市と兵庫県神戸市の友好交流に尽力する神戸国際コミュニティセンター天津事務所の高橋健司所長(44)が、まもなく4年間の任期を終えて日本へ帰国する。「天津にあと10年くらいはいたい」と離れがたい思いを語った。

 大学で中国史を専攻した高橋氏は早くから中国にあこがれを抱き、天津赴任前から大陸の各地を訪れていた。同事務所が求人募集を出したことを知ると、すぐさま応募したと振り返る。

 2020年4月の赴任後、中国のさまざまな民俗文化や伝統料理を深く体験。伝統的な民間木版年画の一つ、天津の楊柳青木版年画「娃娃抱魚」をはじめ、多くの無形文化遺産が深く記憶に刻まれた。日本ではあまり食べない羊肉や、日本酒とは趣きの異なる中国の「白酒(蒸留酒)」も大好物になった。

天津と神戸の交流に尽くした4年間 「帰国後も両国友好のために」

 遼寧省瀋陽市で開催された遼寧国際投資貿易商談会に出席する高橋健司氏。(2020年11月撮影、瀋陽=新華社配信)

 モバイル決済や電気自動車、顔認証システムなど、天津の科学技術の普及は目覚ましいと感じる。「私はシェアサイクルの愛用者。朝、風景を見ながら通勤するのがとても心地いい」と話す。

 神戸生まれの高橋氏によると、天津は歴史的建造物を良好に保存し、国際的な特色を持つなど神戸と特徴が似ている。多くの共通性が両市の交流や協力に豊かな可能性をもたらしたと指摘する。

天津と神戸の交流に尽くした4年間 「帰国後も両国友好のために」

天津・水上公園の神戸園で開かれた天津と神戸の友好都市提携締結50周年記念活動で記念撮影する高橋健司所長(左)。(2023年6月24日撮影、天津=新華社記者/張宇琪)

 高橋氏の努力の下、この4年間で両市の間に新たな成果が多数生まれた。高官レベルの相互訪問を複数回実現させて友好関係を一層深めたほか、天津医科大学と神戸大学医学部による医療学術フォーラムや神戸市の青少年を招いた交流イベントなども成功させた。

 両市は1973年6月24日、中日国交正常化の翌年に友好都市提携を結び、中日両国間で最初の友好都市となった。中国にとっては新中国成立後初めて外国の都市と結んだ友好提携でもある。50年余りにわたり、各界の関係者が頻繁に互いを訪問し、港湾物流や教育、都市緑化などの分野で緊密に協力してきた。

天津と神戸の交流に尽くした4年間 「帰国後も両国友好のために」

天津・水上公園の神戸園で開かれた天津と神戸の友好都市提携締結50周年記念活動で園内を見学する高橋健司所長(手前中央)。(2023年6月24日撮影、天津=新華社記者/張宇琪)

 高橋氏は両市の産業協力や民間交流の成果を継続していくことが重要だと指摘。都市の発展過程で直面する高齢化や温室効果ガス問題、エネルギー、イノベーションなど共通の課題においても手を携えて解決していくことが求められると語った。

 中国の春節(旧正月)を前に、高橋氏は事務所内に「福」の字を貼った。帰国後も中国関連の仕事に携わり、中国と日本の友好の新たな物語を書き続けたいと話している。(記者/張宇琪)

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