首里城の地下にある第32軍司令部壕 教材化へフィールドワーク 教育関係者らアイデア論議

第32軍司令部壕を題材にした教材作成について意見を出し合う参加者=10日、那覇市・県立芸術大学

 第32軍司令部壕を題材にした教材を作成する沖縄県主催の講座が10日、那覇市内で開かれ、教育関係者約10人が参加。32軍壕周辺をフィールドワークした後、グループに分かれて教材案について活発に意見交換した。 一つのグループは、子どもたちがフィールドワークした感想を、家族など身近な人に伝えることを提案。「子どもたち自身も継承する経験ができる」と語った。

 ほかに、首里城火災の映像を見ることを入り口とし地下にある32軍壕を考えてもらう案や、32軍壕をきっかけに自分の地域の身近な戦跡を考えることにつなげてはどうか、というアイデアも上がった。

 参加した豊見城中の大城真紀子教諭は「フィールドワークを通し五感で感じることが大切だと思った。32軍壕を題材に子どもたちの将来につながる平和教育をしていきたい」と話した。

 県は今後も、32軍壕をテーマにした教材作成の取り組みを進めていく。(社会部・當銘悠)

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