2024年2月8日(現地時間)、アバルトはフィアットの新型コンパクト電動SUVであるフィアット600e(日本未導入)をベースとしたハイチューンモデル「アバルト 600e(セイチェントe)」の写真を公開した。まだプロトタイプということだが、ほぼ量産型に近い仕上がりだ。
コンパクトSUV「フィアット600」ベースのハイパフォーマンスEV
新型フィアット600は往年の名車「600」の名を復活させて2023年7月に登場したコンパクトSUVで、位置づけとしては、フィアット500Xの後継にあたる。
まず電気自動車の「600e」としてデビューし、2023年9月には1.2L 直3ガソリンターボエンジンに48Vリチウムイオンバッテリーを搭載したマイルドハイブリッドモデルも追加され、近いうちに日本導入も噂されている。
「アバルト 600e」は、そんな新型フィアット600の電気自動車「フィアット600e」をベースに、アバルトがチューンを施したハイパフォーマンスバージョン。紛らわしいが、アバルト500eのハイスペック版ではない。
今回新たな写真が公開された「アバルト 600e スコーピオニッシマ ローンチエディション(Scorpionissima launch version)」は、現在最終開発テストが行われている「アバルト 600e」の誕生を記念する限定車で、全世界で1949台が発売されることになっている。(ちなみに1949台はアバルト ブランドの誕生年にちなむ)
「日常を非日常に変える 」とアバルトの野心作
「アバルト 600e」は、243psにパワーアップされた電動パワートレーンをフロントに搭載(ベースとなったフィアット600eは157ps)。機械式リミテッド・スリップ・ディファレンシャル(LSD)や、アバルト史上最も強靭と言われるシャシを採用し、優れた走行安定性とハンドリング、抜群のトラクション性能を実現するという。
また、エアロダイナミクス性能を向上させる専用のリアスポイラーや強力なブレーキシステム装備し、タイヤには世界最高峰のEVレース「フォーミュラE」のサプライヤーと共同開発した高性能20インチタイヤを組み合わせる。
インテリアにはレーシングエルゴノミクスを追求したスポーツシートや、専用のスポーツステアリングホイールなどが採用されるようだ。
エクステリアは写真でもひと目でアバルトとわかる仕上がりで、ワイドトレッド化されたシャシやボディに配された「ABARTH」のロゴやスコーピオンのマークで、ベース車両のフィアット600eとは異なるオーラを発している。
ちなみに今回公開された限定車「アバルト 600e スコーピオニッシマ ローンチエディション」は、妖艶な雰囲気のある「ヒプノティック・パープル(Hypnotic Purple)」の専用ボディカラーに採用する。
「アバルト 600e」の詳細なスペックや発表時期などは公開されていないが、ワールドプレミアはそう遠くないはずだ。