神戸・南京町『春節祭』勇壮な獅子舞、活気とにぎわい運ぶ 春はもうすぐ!神戸から能登へエールも

コロナ禍を経て昨年からリアル開催、神戸の中華街・南京町の「春節祭」「PINK LION(桃色獅子)」の登場<2024年2月11日 11時06分撮影 神戸市中央区・南京町>

神戸の中華街・南京町で中国の旧正月を祝う「春節祭」が、12日まで3日間開催される。

【画像】神戸・南京町「春節祭」は大にぎわい!

春節祭は1987年から開かれ、今年で36回目。昭和天皇崩御(1989年)と阪神淡路大震災(1995年)の2回は中止となった。1997年には、神戸市の地域無形民俗文化財に指定された。

新型コロナウイルス感染拡大の影響で、2021~22年はオンライン配信するなど規模を縮小していたが、昨年(2023年)からは“リアル開催”となった。

ステージでは役者の面が一瞬で変わる変臉(へんれん 変面とも ※2月10・11日のみ)や獅子舞などを楽しむことができる。昨年に引き続き、豪華賞品の当たる「ポチ袋くじ(250円)」、南京町の28店舗で本格中華の特別メニューを味わえる「迎春餐&福袋(2024円)」などを販売している。

昨年、3年ぶりのリアル開催時より多くの人出でにぎわう南京町。曹さんは、その中心・南京町広場にほど近い「老祥記」の3代目でもある。豚まん(肉まん)が大人気の老祥記。春節祭では長蛇の列が予想されるため、通路が大変混雑することは避けられない。そこで曹さんはある決断をする。「3日間、老祥記は南京町の店頭で営業しない」。

その代わり、南京町の東にある大丸神戸店で臨時販売することに。ホクホクに蒸しあがった豚まんは、丁寧に包装紙に包まれ、スタッフが何度も往復して運んでいる。
春節祭を統括する責任者でもある曹さんは、ラジオ関西の取材に対し「せっかく来たいただいたお客さんに、いつもの場所で商品をお分けできないのは心苦しいが、混雑が予想される中、春節祭を楽しむ方々に、もしものことがあっては元も子もないから」と、早くから危機管理の重要性を説いていた。

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兵庫県加古川市の30代の夫婦は、2歳の長女を連れて南京町へ。「コロナ禍での結婚、長女の誕生、今、こうやって春節祭を楽しめることがありがたいです。節分では主人が赤鬼になり、娘は怖がって泣いていました。きょうの獅子舞も迫力に圧倒されました」と話した。

京都市から訪れたイギリス人の男性は、家族4人で初めて南京町の春節祭を楽しんだ。「日本に住んで10年。京都では体験できない中国の祭り。神戸ならではの異国情緒を子どもたちと味わういい機会です。今年は暖冬、春がもうすぐですね。来年もぜひ来たい」と微笑んだ。

大阪府枚方市の30代の女性は、中国・瀋陽出身。21年前に留学で京都の大学で学び、日本で家庭を持った。4歳の娘には、南京町のYouTubeチャンネルを見せて、“予習”して南京町へ足を運んだ。「変臉は、映像で見るのとリアルとでは大違い。改めて、母国・中国の伝統芸能の奥深さを感じました。今年の夏、娘を初めて故郷・瀋陽に連れて行きます。日本と中国、それぞれの良さを学ばせるために」と話した。

会場では、生活雑貨通信販売大手「フェリシモ」(神戸市)がプロデュースするロゼワイン「南京町オリジナル『KOBE PINK LION』」が販売される(750ml / 税込3850円)。
『KOBE PINK LION』は、神戸産のブドウ(リースリング、メルローによるブレンド)を使用。赤と白、両方の要素を持ち、中華料理とのペアリング(相性)も良いという。

また、春節祭で勇壮に舞うピンクライオンをモチーフにした「ピンクライオン(桃色獅子)耳あて付きキャップ」を販売、子どもたちや女性にも大人気だ。

このほか春節祭にちなみ、コンビニエンスストア大手「ローソン」・近畿エリア8府県の店舗では、南京町監修の「エッグタルトパイ (192円・税込)」、「中華おこわおにぎり(167円・税込)」を販売する(~2月27日)。

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