福井県越前市ゆかりの紫式部が主人公のNHK大河ドラマ「光る君へ」にちなんだ福井鉄道のラッピング車両が完成し2月10日、同市のたけふ新駅で披露された。車体の両側に吉高由里子さん演じる紫式部がデザインされている。12月末まで毎日8本運行される。
観光振興を図る目的で、同市と福井県などでつくる紫式部プロジェクト推進協議会が福井鉄道と連携し制作した。
ラッピングしたのは、3両編成の「フクラム」。「紫式部が暮らした福井県越前市」というメッセージとともに、片面には穏やかな表情を浮かべる紫式部を、もう一方には月夜に空を見上げる姿を描いている。車両は淡い紫やピンクの柔らかな色彩に包まれ、華やかで優美な平安時代を連想させるデザインに仕上がっている。
お披露目会には市内外から約100人が集まった。山田賢一市長は「市内の紫式部ゆかりの名所に注目してもらうきっかけになる」とあいさつ。福井鉄道の吉川幸文社長は「観光振興の起爆剤としていきたい」と述べた。
テープカットの後、電車は早速、乗客を乗せて田原町駅まで運行した。福井市の女性(56)は「色使いがとても華やかですてき。北陸新幹線で訪れた観光客にもぜひ乗ってもらいたい」と話していた。