シリーズ読者投稿~あの時、あなたに出会えなければ~ 投稿者:Oさん
5年ほど前、Oさんはまだ赤ちゃんだった次男を抱っこして帰宅ラッシュの電車に乗った。
すると、目の前にいた乗客が「邪魔」と言いながら押してきて......。
<Oさんの体験談>
5年ほど前、私は経済的DVをしてくる夫から隠れて暮らしていました。
小学校高学年の長男と産まれて数か月の次男を抱えて、調停に疲弊する日々。毎日、この子達を育てられるのか、調停が終わらず裁判になった場合私は精神的に持つだろうかと、涙を流さない日が無いような生活で、生きていく自信すら無くなるほどでした。
前から押され、捉まる場所もなく...
調停が終盤に差し掛かっていたある日、私は心配していてくれた友人と少し過ごすことになりました。
そしてその帰りがちょうど帰宅ラッシュの時間と被ってしまい、数か月の次男を前に抱えたまま電車に乗ると、目の前の50代くらいの乗客に「邪魔」と言われ、前から押されてしまったのです。
しかし、捕まる所もなく転びそうになった瞬間、周りに居た会社員風の方々が支えてくれ、そのまま引っ張られる様に空いた席に座らせてくれました。
その後私が降りる駅まで、お互い知人でもないだろう方々が席の周りに立って私達にぶつからないように壁を作って立っていてくださって......。
私はその壁の中で嗚咽してしまうほど泣きながら、下を向いて、ただただ「ありがとうございます。ありがとうございます」と言い続けていました。
降りる時は更に助けてくれる方が増えていて、降り口までスムーズに連れ出してくれました。
その方達は終始無言でしたが、電車を降りた後も私は頭を下げ続け、無言でも皆さんの温かさに感謝し続けました。
一人一人に感謝を伝えたかったけど...
次男が5歳になった今でも、思い出すだけで泣けて来るような出来事です。
その時助けて下さった皆様一人一人に感謝を述べる事は叶わなかったですが、この投稿を目にして頂けると幸いです。
あの時は、本当にありがとうございました。
子供達にあなた方のような、優しさに溢れる温かい人になって貰えるよう、この時のことを話し続けていきます。
誰かに伝えたい「あの時はありがとう」、聞かせて!
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(※本コラムでは、プライバシー配慮などのため、いただいた体験談を編集して掲載しています。あらかじめご了承ください)