南さつまの養鶏場、鳥インフルエンザ陽性確認 鹿児島県内で今季2例目 1.3万羽殺処分へ

殺処分作業にあたる県職員=11日、南さつま市(鹿児島県提供)

 鹿児島県南さつま市の養鶏場の鳥インフルエンザ疑い事例で、鹿児島県は11日、遺伝子(PCR)検査により感染を確認したと発表した。県内の養鶏場での発生は今季2例目。県は同日、発生農場や管理者が同じ近くの関連農場で飼われている肉用種鶏計1万3000羽の殺処分を進めた。

 発生農場は同市大浦町にある。10日正午に系列会社から南薩家畜保健衛生所(家保)へ通報があり、簡易検査で死んでいた全7羽でA型鳥インフル陽性を確認していた。

 11日朝までに鹿児島中央家保のPCR検査で「H5亜型」ウイルスを検出、農林水産省が高病原性の疑いがあると判定した。県は午前7時に殺処分を開始し、国の疫学調査チームは現地で感染原因や経路を調べた。

 発生農場の5400羽の殺処分は午後6時に完了。関連農場でも作業を進めており、鶏の埋却や農場の消毒などを含め72時間以内の防疫措置完了を目指す。

 県によると、発生農場から半径3キロ内の鶏や卵の移動制限区域に農場はなく、3~10キロ内の搬出制限区域には15農場(約36万3000羽)がある。現時点で異常は報告されていない。県は発生農場周辺の国道に車両の消毒ポイント4カ所を設置した。

南さつま市での鳥インフルエンザ疑い例発生を受け、対策本部会議であいさつする塩田康一知事=10日、鹿児島県庁

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