熟年離婚で思いもよらない苦労をした女性たち #6「油断の末に…襲う現実」

長い間、結婚生活のストレスに耐え、子育てが一段落したなど区切りがついたときに離婚に踏み切ったけれど、その後の人生のほうが苦しくなってしまうことも。

離婚そのものに後悔はなくても、勢いで進めて後で損をしたと知ったり、思ってもいなかった苦労が待っていたり、結婚していた頃よりさらに窮屈な生活になるのはつらいものです。

何がいけなかったのか、どうすればよかったのか、熟年離婚後に大変な思いをすることになった女性たちのリアルを実録でご紹介します。

「熟年離婚後に苦労したのは、自分の体力の衰えに振り回されたこと。

実家が県外ですぐに頼れる距離にない私は、仕事が正社員でひとり暮らしできる収入があったため、元夫と住んでいた町から離れたところにアパートを借りました。

自分の親戚などもいない状態で、結婚している頃から『できるだけひとりでこなす』ことを考えて動いており、離婚後もやっていけるという自信がありましたね。

ところが、ひとり暮らしを始めてからすぐに風邪をひいてしまい、精神的な疲れやストレスからの解放もあったのだろうと思いますが、『油断した』と思いました。

今までは、モラハラがひどい元夫と一緒にいるため体調を崩せば何を言われるかわからず、気を張った状態で過ごしていました。

ひとりになって風邪で寝込むと、嫌味を言われない代わりに『誰も看病してくれない』現実がひしひしと襲ってきて、つらかったです。

50代間近になれば体力も落ちていて、昔と違ってなかなか熱は下がらないし動くのも億劫で、食べなければと思ってもろくに買い物も行けない状態、どうしようもなくなり友人に助けを求めました。

友人はすぐに来てくれて本当に助かりましたが、そのとき思ったのは『これからは体力が下がる一方になるのだ、病気をすれば今よりもっと大変になる』ということ。

私のように身内がいないと、最悪の場合部屋で倒れてもそのまま誰にも発見されず、という可能性は避けられません。

今やれるのは普段から体力作りを欠かさないこと、病気にならない暮らしを心がけること、そして自分を気にしてくれる友人を増やすことだと思いました。

人とは積極的にコミュニケーションをとり、孤立しないことが重要だと強く感じます」(49歳/小売業)

若い頃の離婚なら、ひとり暮らしを始めてもある程度は体力で乗り切れることは多いかもしれません。

熟年離婚になると、病気など何かあったときに自力で解決することに限界があるのが実際で、体調管理は本当に欠かせないといえます。

体力の衰えは止めるのが難しいため、健康を心がけるのと同時に普段から助け合える人を意識しておくのも自分のためですね。

(ハピママ*/ 弘田 香)

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