離陸前の旅客機のドア開け脱出スライドを作動させる、中国系カナダ人の男逮捕―タイ

タイ北部チェンマイの空港で7日夜、離陸前の民間航空機のドアを開け、緊急脱出スライドを作動させた疑いで、40歳の中国系カナダ人の男が逮捕された。写真はチェンマイ国際空港。

タイ北部チェンマイの空港で7日夜、離陸前の民間航空機のドアを開け、緊急脱出スライドを作動させた疑いで、40歳の中国系カナダ人の男が逮捕された。カナダの華字メディアが10日、米CNNなどの報道を引用する形で伝えた。

米CNNによると、バンコクのスワンナプーム国際空港に向けて出発予定だったタイ国際航空TG121便が離陸するために待機していたところ、機内にいた男が叫び声を上げながら席を立ち、ドアの一つを開けて緊急脱出スライドを展開させた。男はパニック状態にあったという。

当該機はすぐには移動できず、他の計13便が影響を受け、うち8便は着陸を許可される前に空中で旋回を余儀なくされた。遅延の影響を受けた乗客は計2295人に上った。当該機は整備士が安全規則に従ってドアの修理と点検を行い、定刻より遅れた深夜0時過ぎにバンコクへ飛び立った。乗客やパイロット、客室乗務員にけがはなかったという。

チェンマイ警察の担当者はCNNに対し、カナダ国籍のウォン・サイ・フン容疑者を現場で逮捕したと語った。有罪となった場合、死刑、最長20年の禁固刑、罰金60万~80万バーツ(約249万~332万円)を言い渡される可能性があるが、タイでは2018年以降、死刑は執行されていない。

警察は、容疑者がドアを開けた動機については把握していないとした上で、「容疑者はストレスを感じており、コミュニケーションを取るのが難しかった」と指摘。「私たちは彼を検査のためにスアン・プルン精神病院に送った」と語った。(翻訳・編集/柳川)

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