“じゃあ離婚しよう”と開き直る不倫夫… プレ更年期の妻を襲った「激動の結末」【後編】

ついに病に倒れた妻…しかし夫は知らん顔

「夫の二度目の不倫に気づいて少し経った頃から、ちょっと体調が悪いなという自覚はありました。でも、大したことない、ストレスだろうと勝手に決めつけて、病院には行かなかったんです。プレ更年期に入っていたので、それも影響しているかもしれないって自己判断してしまったんですよね。
だけど、それからすぐに私は道端で倒れて救急車で運ばれてしまって……。幸いなことに命には別状はなかったものの、そのときに、とある病気にかかっていたことがわかりました」

夫の不倫に何年も苦しんできた亜紀さんは、自分でも知らないあいだに、体が病気におかされていたとのこと。この出来事を機に「このままでは夫のせいで私の体がボロボロになってしまうかもしれない」と感じた亜紀さんは、ついに不倫について直談判をすることを決めたそうです。

「私が病気になっても、夫はまったく心配している様子もなく『死ぬことはないんでしょ?』『家でゆっくりしていればそのうち治るだろ?』と楽観的なことばかり言ってきました。自分の不倫のせいで妻が苦しんでいるとは考えてもいない様子で、そういう夫に心底腹が立ちましたし、ここできちんと話し合いをしなくてはダメだと遅ればせながら痛感したのです」

直談判をするも「離婚しよう」と開き直る夫

自分が病気になったことをきっかけに、夫に不倫を問い詰めた亜紀さん。しかし、話し合いの場で夫から出てきた言葉は、想像もしない冷たいひと言だったそうです。

「私が夫に『これまでの不倫も知っている。私が病気になったのは、あなたの不倫に苦しめられたせい。こうなった以上は、きちんと家庭に向き合ってもらいたい』と端的に伝えたところ、夫は表情ひとつ変えずに『君が病気になったのは俺のせいじゃない。そこまで言うなら離婚しよう』と言い放ちました。
私はそこで初めて、夫には優しさや思いやりが欠けていて、だからこそ妻をほったらかしにして何年も不倫をすることができる人なんだ……と夫の本性を知ったのです。それまでは、さすがに私が病気になれば、夫も不倫をしていた自分を反省するだろうと考えていましたが、夫にはそういった“人の心”すらなかったのです」

この話し合いをきっかけに「目が覚めた」と振り返る亜紀さんは、それからすぐに離婚の準備を始め、3か月後に離婚が成立。夫と離れてからは体の回復も早く、今では病気も寛解し、日常生活を普通に送れるまで回復したそうです。

「あのまま夫と一緒にいたら、まだ病気が治っていなかったどころか、もっとひどくなっていた可能性もあるなと思っています。それほど、夫の不倫は私にとってストレスでした。
夫には過去の不倫の慰謝料もしっかりと請求したので、当面の生活費はこれでなんとかなりました。当時、パートだから新生活が不安だと思って行動に出られませんでしたが、慰謝料を受け取ればなんとかなるって後から思いましたね。
私のようにお金を理由でつらい我慢を重ねている人もいるはずですが、自分の体が壊れてからでは後悔も大きくなりますから、限界を迎える前に行動に移したほうが結果的に幸せなんじゃないかなって感じます。
夫は今、独り身になって孤独に暮らしているらしいです。子どもも『不倫をしてママを病気にさせたような人はパパじゃない!』と言って元夫にはまったく会いたがっていません」

金銭的事情から離婚ができず、ストレスフルな我慢を続けてしまえば、体が悲鳴を上げることもあります。慢性的にじわじわと強いストレスが続くときほど、心や体にもダメージが蓄積されやすいでしょう。我慢をした先に幸せがあるとは限りません。もしも体に少しでも異変を感じたら、自分からの危険シグナルとして軽視しないことをおすすめします。

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