給付増額「富山も対象に」 公明・山口代表に知事要望

山口代表(左から2人目)に要望する新田知事=富山市内のホテル

 富山県の新田八朗知事は11日、能登半島地震の被災地視察で富山入りした公明党の山口那津男代表と富山市内で懇談し、復旧に関する緊急要望書を手渡した。石川県の一部地域で生活再建支援給付を増額する政府方針について、新田知事は富山県の被災世帯も対象に加えるよう求め、山口代表は「同じように支援の手が届くことが公平な救済のあり方だ」と応じ、政府に申し入れるとした。

 現行の支援制度は、住宅の被害状況などに応じて被災者生活再建支援法に基づき、支援金最大300万円を支給する。政府は地理的条件による特例として、石川県の一部地域の高齢者世帯などを対象に上乗せし、最大600万円を給付するとしている。

 新田知事は、「住宅再建が生活再建の第一歩だ」と支援を訴えた。液状化被害に対する技術的な支援や、観光支援「北陸応援割」の実施期間の延長なども求めた。

 山口代表は、生活再建支援の上乗せ給付について、政府・与党連絡会議で石川県以外の地域にも柔軟に対応するよう政府に強く申し入れしたと説明した。

  ●県内3市を視察

 懇談に先立ち、山口代表は能登半島地震で被害の大きかった高岡、射水、氷見3市の現場を視察し、氷見市姿地区では倒壊家屋の現状について、林正之市長から説明を受けた。

 富山市内で報道陣の取材に応じた山口代表は、歴史のある古い町並みでの液状化被害が目立つと指摘し「財源の手当も含め、自治体のニーズを把握した上で復旧・復興を進めるべきだ」と強調した。

  ●党勢拡大へ結束 富山でフォーラム

 公明フォーラム富山「雄飛の集い」は11日、富山市のホテルグランテラス富山で開かれ、約900人(主催者発表)が党勢拡大へ結束を誓った。党県本部の佐藤則寿代表があいさつ。自民党県連会長代行の橘慶一郎衆院議員、新田八朗知事が来賓あいさつした。山口那津男党代表が「被災地の一日も早い復旧・復興が政治の最優先課題だ」と述べた。

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