JR磐越東線の活性化考える 福島県いわき市でセミナー 市長らシンポジウム

 福島県のいわき市と郡山市を結ぶJR磐越東線の活性化を考えるセミナーは11日、いわき市のアリオスで開かれ、地方路線の維持や利活用を自分事に捉える「マイレール意識」の重要性を議論した。

 市鉄道交通を応援する会の主催で市内外の約60人が参加した。交通ジャーナリストの鈴木文彦さんが各地の地方路線の現状を説明。存廃の岐路に立つ路線を巡り、「本当にその路線が地域に必要かをまず検証すべき」とした上で、「必要ならば鉄道事業者と行政、地域住民が協働して鉄道を守り育まなければならない」と訴えた。小野町の東方文化堂店主の渡辺伸二さんが磐越東線の歴史を紹介した。

 鈴木さん、渡辺さん、内田広之いわき市長のパネルディスカッションも行った。内田市長は「鉄道が『あったら良い』ではなく『必ず残す』という気持ちを持ち、沿線の人々で支えないといけない」と話し、鈴木さんは「人が集まるように駅の魅力を高めた方が良い」と指摘した。

■児童が磐越東線のジオラマづくり

 セミナーの関連イベントで、小学生が磐越東線のジオラマづくりに挑戦した。

 いわき市の川島工房がオリジナルキットを用意した。小学生と保護者約30人がスポンジの草木で装飾したり、絵の具で経年劣化を表現したりして、紅葉シーズンの夏井川に架かる鉄道橋とその上を走る磐越東線の列車を再現した。

 市内から参加した横須賀悠人さん(中央台東小5年)は「ジオラマの風景がとてもきれいで、機会があれば本物に乗ってみたいと思った」と話した。

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