越前和紙職人がなぜビール醸造?…ほんのりシソの香りが特徴 福井県越前市の山伝製紙、「世界初」ムラサキシキブの花酵母使用

ムラサキシキブの花酵母を使って開発されたクラフトビール=福井県越前市南小山町の山伝製紙

 NHK大河ドラマ「光る君へ」の主人公で福井県越前市ゆかりの紫式部にちなみ、シソ科の植物「ムラサキシキブ」の花酵母を使ったクラフトビールが商品化された。ほんのり感じるシソの香りが特徴で、すっきりとした味わい。開発したのは越前和紙製造の山伝製紙(越前市南小山町)。「和紙職人が作るビール」という異例の取り合わせが話題を呼んでいる。

 式部にちなんで紫色を取り入れた商品を地元15事業者が開発した「パープルハートプロジェクト」の一環。ムラサキシキブの花酵母によるビールは「おそらく世界初」(同社)だという。東京農大の研究者グループが秋に付ける紫色の実から採取した花酵母を活用。ホップを少量にして苦みを抑え、発酵過程でシソの葉を混ぜて風味を加えている。

 330ミリリットル瓶で900円(税抜き)。道の駅越前たけふ、リカーワールド華越前店などのほか、ホームページでも販売している。

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