「ジャンプ“早バレ”海賊版の容疑者逮捕」「漫画家急逝事件を小学館が謝罪」「ライトノベル市場推計」など、週刊出版ニュースまとめ&コラム #606(2024年2月4日~10日)

執筆者:鷹野凌

2024年2月4日~10日は「ジャンプ“早バレ”海賊版の容疑者逮捕」「漫画家急逝事件を小学館が謝罪」「ライトノベル市場推計」などが話題に。広い意味での出版に関連する最新ニュースから編集長 鷹野が気になるものをピックアップし、独自の視点でコメントしてあります(ISSN 2436-8237)。

政治

少年ジャンプの漫画をネットで「早バレ」、容疑の男2人逮捕…都内の卸売店で入手か〈読売新聞(2024年2月4日)〉

本誌を発売日より前に入手し、写真にとってアップロードするという海賊版の手口です。こうして公に情報が出てくるのは「逮捕」にまで至ったからであり、裏ではさまざまな努力が今なお続けられています。関係者のみなさまも努力に経緯を表します。

なお、この読売新聞の記事では「県警は、いずれも都内の卸売店で入手したとみている」と書かれています。それって、製作流通の過程において「印刷・製本・書店ではなく、取次からの流出だ」と言っているのに等しいわけですが、確証があるのかな? でも、他の報道では「都内の店舗で入手」という言い回しが複数確認できたので、その違いが気になります。

集英社、「早バレ」サイトに係る容疑者逮捕で声明発表。流出ルート解明なるか〈MANGA Watch(2024年2月5日)〉

関連で。集英社からの声明です。「あらゆる対策を積極的に講じてまいります」と、海賊版と戦い続ける決意を改めて表明しています。

『ジャンプ』に続いて『週刊少年マガジン』の早バレも捜査、講談社「読者の喜び奪う極めて悪質な行為」〈弁護士ドットコム(2024年2月5日)〉

さらに関連で。集英社「ジャンプ」だけでなく、講談社「マガジン」についても捜査は行われています。集英社だけが頑張っているわけではありません。

海賊版の漫画ただ読み被害3818億円 23年、民間調査〈日本経済新聞(2024年2月6日)〉

もう一つ、関連で。タイミングは偶然だと思いますが、ちょうどこの逮捕報道の2日後に文化庁「文化審議会著作権分科会政策小委員会(第4回)」が行われ、国境を越えた海賊版による著作権侵害に対する対応について討議されています。

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