連続増配の超優良銘柄“配当貴族”と“配当王”って?人気の5社を紹介

今年から新NISAが開始され「高配当」の商品が人気です。高配当銘柄は「インカムゲイン」に分類され、株式などを売却せずに配当金や分配金で利益を得ることを指します。一方「キャピタルゲイン」は株式などを売却して得られる売却差益のことです。長期にわたり株価の上昇が続いている米株のインカムゲインですが、日本においても人気が高い状況です。


配当王と配当貴族とは

25年以上連続増配している銘柄を「配当貴族」と呼び、50年以上にわたり、連続増配している銘柄を「配当王」と呼びます。残念ながら現在のところ「配当王」に該当する銘柄は日本市場ではありません。ちなみに日本の連続配当ランキング1位は花王(4452)で33年連続増配をしており、配当貴族にあたります。一度でも配当金を減配したり、据え置きした場合は、この指数の対象銘柄から除外されるので企業にとって厳しいルールが課せられています。なお、花王は2月7日に決算発表と同時に今期の2円増配予定を公表しました。

高配当銘柄の定義については様々ありますが一般的には配当利回り(一株当たりの年間配当金÷現在の株価)が高い株式のことを指します。具体的には「配当利回りが3~4%以上である」「業績や財務の安定性と成長性が堅調」「指数の組入れ銘柄になっている」などが上げられます。

現在、配当王は45社、配当貴族は67社あると言われています。代表的な銘柄としてコカ・コーラ(KO)、ジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)など日本でも有名な企業が名を連ねています。

日本でもお馴染み配当王の3社

●コカ・コーラは1892年に米国で誕生した企業で、清涼飲料水のコカ・コーラ、ファンタ、ジョージアを始めとした飲み物を販売している総合飲料企業です。 200以上の国と地域で製品を販売していて、米著名投資家のウォーレン・バフェット氏が同社株を長期保有しています。61年連続増配を行っている配当王で、配当利回りは約3.08%です。VYM(米国の高配当利回りETFのことで、世界第2位の資産運用会社のバンガード社が運用。米国の高配当銘柄約400社で構成されている)の組入れ銘柄です。

● ジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)は1886年に米国で設立され、バンドエイド、マウスウォッシュのリステリンなどの商品が有名です。中心的な事業は医療用医薬品事業が約55%、医療機器事業が約30%となっています。61年連続増配をしている配当王で配当利回りは約3.04%です。HDV(米国のETFのことで、世界最大級の資産運用会社Black Rockが運用。米国の財務優良企業のうち配当利回りの高い約70~80銘柄で構成されている)の組入れ上位10銘柄に入っています。

●プロクターアンドギャンブル(PG)は180年以上の歴史がある世界最大級の一般消費財メーカーです。有名ブランドを数多く持ち、日本ではシャンプー・ボディーソープのダヴや洗剤のアリエール、シェイバーのブラウンなどがあります。67年連続増配の配当王です。利回りは約2.37%です。同社はコカ・コーラと同様にVYMの組入れ銘柄です。

配当貴族の2社は石油系

●シェブロン(CVX)は米国大手石油関連企業で世界180カ国以上で事業を展開する企業です。世界の石油関連企業の中でも特に巨大な規模を持つ国際石油資本いわゆるスーパーメジャーの中の一社です。35年増配をしていて配当貴族で配当利回りは約4.00%です。こちらもHDVの組入れ上位10銘柄に入っています。

● エクソンモービル(XOM)は、1999年に設立された総合エネルギー企業です。石油を中心にエネルギー資源の生産や輸送、精製、販売までを手掛けています。シェブロン同様スーパーメジャーの中の一社です。41年連続増配をしていて、配当利回りは約3.65%です。こちらもHDV の組入れ上位10銘柄に入っています。

※配当利回りは2月8日時点です。

長年にわたり連続増配をしている企業ですから規模や知名度については問題無いでしょう。株式を保有する上で必要なのは常に業績に目を配り、株価の推移を把握することです。株価の下落が続けばいくら利回りが高くても本末転倒の状況になりかねません。またコロナ後の米国株への資金流入が著しい為、その点にも注意をした方がよいです。

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