米大統領、ラファ侵攻で懸念伝達 安全確保へイスラエルにくぎ刺す

バイデン米大統領(左)、イスラエルのネタニヤフ首相(いずれもロイター=共同)

 【ワシントン、エルサレム共同】バイデン米大統領は11日、イスラエルのネタニヤフ首相と電話会談した。イスラエル軍が準備を進めるパレスチナ自治区ガザ最南部ラファへの地上侵攻について懸念を伝え、現地の避難民らの安全確保なしに計画を進めるべきでないとくぎを刺した。ホワイトハウスが発表した。ラファには約150万人が滞在している。

 一方、イスラエルメディアは12日、ラファでの軍などの作戦で、昨年10月の奇襲によりハマスが拘束していた人質2人が救出されたと伝えた。

 ネタニヤフ氏は11日放送の米ABCテレビの番組で、ラファへの地上侵攻を「実施する」と明言した。民間人の犠牲拡大の可能性に国際社会の懸念が高まる中、イスラエルに寄り添ってきたバイデン氏はネタニヤフ氏の強硬姿勢を前に厳しい立場に置かれている。

 バイデン氏はイスラエルによるイスラム組織ハマス壊滅の目標を共有しているとも述べた。ハマスの拘束下にある人質の早期救出に向け、イスラエルとハマスの意見対立で難航する交渉を打開する必要性を強調した。

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