中国が外国人のカード決済の利便化推進、インバウンド誘致策の一環―米メディア

中国人民銀行(中央銀)が国内の銀行や企業に対して、外国人のカード決済を受け入れることを奨励している。その他の「支払いの利便化」も進めているという。外国人の中国旅行を促す施策の一環とされる。

米メディアのCNBCはこのほど、中国人民銀行(中央銀)の関係者が、国内の銀行や企業に対して、外国人のカード決済を受け入れることを奨励していることを明らかにしたと報じた。その他の「支払いの利便化」も進めているという。外国人の中国旅行を促す施策の一環とされる。

カード決済の受け入れの奨励の対象となる業界は、銀行やホテル、飲食業、ショッピングモール、カフェなどとされる。中国政府はこれまでも、欧州や東南なジアの一部の国のパスポート所有者のビザなし入国を認めるなど、自国を訪れる旅行客を増やすことに注力していた。

中国では最近になり、モバイル決済が急速に普及した。中国国内に在住しているならば、スマートフォンでコードをスキャンするだけで支払いが成立するので極めて便利だ。しかし金融システムの制約により、外国人は中国国内のモバイル決済を利用することが困難なことが多かった。さらに、中国では外国の金融機関が発行したカードによる決済を受け入れない業者も存在した。

ただし、状況はすでに変化しており、2023年夏には二大モバイル決済の微信支付(ウィーチャットペイ)と支付宝(アリペイ)が、認証を受けたユーザーを対象に、ビザ(Visa)などの国際クレジットカードとの連携を可能にした。

関係者によると、中国側は外国人観光客のプライバシーに対する懸念を十分に理解しており、同問題を重視して関連する情報保護措置を講じているという。中国人民銀行の張青松副総裁は、5日に北京市内の空港の海外からの渡航者向け決済サービスモデル区を視察した際に、「中国人民銀行は海外からの中国訪問者の決済の利便性向上を重点業務とし、決済サービスのレベル向上に力を入れる」と表明した。

中国人民銀行は昨年11月、万事網聯の銀行カード決済業務を許可した。外国の金融サービス企業は中国市場を有望視しており、当局の施策はより開放的になると見ている。中国人民銀行は昨年11月、万事網聯の銀行カード決済業務を許可した。推定によると、現在までに13の海外モバイルウォレットアプリが中国国内でコードスキャン決済を直接実現できるようになった。アントグループは昨年9月、シンガポール、韓国、タイなどのユーザーの居住地でよく使われるバイルウォレット10種類について、中国国内もコード決済を可能にした。(翻訳・編集/如月隼人)

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