中部地区唯一のマーケティング普及啓発団体「中部マーケティング協会」(名古屋市中区)は3月6、7の両日に「第54回中部マーケティング会議」(実行委員長=佐藤幸喜・東海理化副社長)を開く。名古屋市中区の名古屋観光ホテルで開催し、ライブ配信のほか会議終了後は講演動画のアーカイブ配信も行う。今回のテーマは「未来を拓(ひら)く共創マーケティング~多様化社会における顧客価値創造のためのイノベーション~」。小笠原剛会長(三菱UFJ銀行顧問)に開催の狙いや見どころなどを聞いた。(聞き手・松田理恵子)
―同会議の狙いは。
「マーケティング活動を展開する経営者や専門家に登壇してもらうことで、今後のマーケティング戦略や市場開拓につなげてもらい、持続的発展に向けたアイデアを得る場を提供する」
―今年の特徴は。
「コロナ禍を経て、会場とオンラインによるハイブリッド形式で開催する。会場では講師の熱意を感じてもらい、ライブ配信は場所を問わず聴講できる。スマートフォンの聴講者セミナー参加システムを活用して講師に質問、回答してもらうこともできる。また初日の合同交流会では複数の講師に参加してもらい、講師と参加者、参加者同士の交流を促進する仕掛けも準備している」
―見どころは。
「1日目は日本アイ・ビー・エム(IBM)とアサヒビール、ミズノの社長に登場いただく。IBMの山口明夫社長には、顧客との共創で新たな価値を創出した事例を伺う。またアサヒビールの松山一雄社長にはZ世代と呼ばれる若い世代の市場創出に向けたマーケティング戦略、ミズノの水野明人社長には研究開発力強化のため設立したイノベーションセンターの役割などを伺う」
「2日目は名古屋大学発のスタートアップ『シンクモフ』の畠岡潤一社長や、ものづくり系ユーチューバーのものづくり太郎氏など、ユニークな講師陣に登壇いただく。通信キャリア4社による座談会も予定している」
―今回、「車座トーク」を初開催する。
「会場限定になるが、講演後に参加者が講師を囲んで講演内容を深堀してもらう。毎回10人限定で、近い距離で講師とコミュニケーションを図る狙いだ」
―マーケティング戦略には何が必要か。
「市場ニーズや価値観が多様化する中、自社だけで新たな価値を創造することは難しい。異なる分野や業界、スタートアップのリソースなどを統合することで、顧客に新しい価値を提供することが求められている。会議のテーマである共創マーケティングは、企業存続のテーマでもある」